ねったいかんだより

当館スタッフから、植物館や水族館での日々のできごとや植物の情報などを発信しています。

こぼれ話10月20日号『もっと知りたいゴバンノアシ』ねったいかんの絶滅危惧種①

みなさんこんにちは!

3年ぶりにゴバンノアシ(Barringtonia asiatica)の実がなりました!

でべそのような形がユニークで面白いですね♪

ゴバンノアシはインド洋から太平洋の熱帯地域の海岸やマングローブに生育し、
日本では八重山諸島にわずかに自生します。

自生地が開発されたことなどにより、現在は絶滅危惧種に指定されており、

大変貴重な植物です。

 

サガリバナ Barringtonia racemosa(以前咲いた時の写真です)

同じサガリバナ科の『サガリバナ』とは夜に咲いて朝には散ってしまう
“ 一日花 ” という点は同じですがサガリバナのように下向きには咲かず
上向きに咲きます。

夜に花が咲くのはなぜでしょう?

それは受粉を手伝ってくれるガやコウモリなどの活動時間が夜だからです。

花の色を白っぽくし(夜だと白色は目立ちます)良い香りを放って受粉者(ポリネーター)を引き寄せます。

ゴバンノアシ Barringtonia asiatica(以前咲いた時の写真です)

ねったいかんでは毎年7月ごろ花が咲きます。

甘い香りに誘われて一体どんなポリネーターがやってきたのでしょうか?

思いもよらぬ訪問者がやってきているのかもしれませんね☺

ところで「ゴバンノアシ」といってピンとくる方もいらっしゃるかと思いますが碁盤(ゴバン)とは囲碁で使う台のことでその脚の先に実の形が似ていることからこの名がついたそうです。

果実は水に浮き、海流に乗って遠くまで運ばれ、たどり着いた先で発芽し、子孫を増やします。

このように種を散布する種子を「漂流種子」と言います。

他にもねったいかんにはマングローブエリア周辺に植栽されている植物には漂流種子がたくさんあります。

サガリバナとビヨウタコノキの実

サガリバナ、ミフクラギ、サキシマスオウノキ、ハマユウ、アダン、ビヨウタコノキ、ココヤシなども漂流種子です。

漂流種子の中には、魚にとって有毒なサポニンを含むものがあり、

これは漂流中に魚に食べられないための工夫ともいわれています。

今回はゴバンノアシをご紹介しましたが、植物ひとつひとつにストーリーがあることが分かります。

たまには『植物のかたち』からその背景を探ってみるのも楽しいですね♪

9月23日(木)は開館記念日でした!

ちょっと前の話ですが、、
9月23日はねったいかんの開館記念日でした。例年通りのねったいかんフェスティバルはできませんでしたが、飾りつけやイベントなどでいつもと少し違ったねったいかんを楽しんでもらいました!✨✨

エントランスには、板橋区のラ・ブランシェさんに作っていただいたとてもきれいなアレンジメントが✨
色とりどりの花が、エントランスをいつもより華やかな雰囲気にしてくれました💐

また、開館記念日の記念品として、オリジナルピンバッチを来ていただいた皆様にお配りしました。
淡水エイのヒマンチュラ・チャオプラヤのチャオちゃんがデザインされた、木の温かみが感じられる木製のピンバッチは、たくさんのお客様に「かわいい」とよろこんでいただけました👏

地下の水族館コーナーの前では、開館当時のねったいかん写真展を開催しました。

これは、1992年10月まであった、ねったいかんの前身の板橋区立温室植物園の写真です。現在のねったいかんとは全く違った建物で、驚きです…….!

他にも、27年前の開館当時の温室や冷室の様子や、

テープカットやマレーシア・ペナン州との交流の様子の写真を展示しました。
開館当時の館内の写真を見ると、冷室の植物の様子など、今と違った雰囲気ですね😲

温室内では、白線画家の猫沢八郎さんとのコラボレーション企画として、「製造部を探せ!!」という宝探し的イベントを行いました。
猫沢さんの作品である製造部たちが、温室内の5か所に隠れていました。みなさんは全部見つけられたでしょうか??

この写真の中にも製造部が隠れています。みなさんは見つけられますか……?

実は、写真上部の柱の近くにいました!!
枝の上にのって、こちらに手を振ってくれているようですね。
このように製造部たちは、

アコウの近くや、

滝の岩の上、

マレーハウスの天井近くなどに隠れていました!

製造部たちはねったいかんでくつろいでいてくれたようですね😊

一階のエレベーター近くでは、猫沢さんの作品紹介と、ポストカードの配布を行っておりました✨

また、温室内では3か所で植物の香りがするお香を焚いて香りの演出。
ビャクダンの下では、甘く素敵なかおりのお香を焚いていました。

アコウの下では、爽やかで落ち着くような森林のお香を、

コーヒーの木の下では、コーヒーのお香を焚いていました。

いつもとは違った香りのするねったいかんを、お楽しみいただけましたでしょうか?

2021年9月23日で27周年を迎えたねったいかん。
これからも癒しの場としてねったいかんを楽しんでいただけると嬉しいです😊

見どころ情報(9月22日号)『秋でもトロピカル🌺』

マダガスカルジャスミンの実 Stephanotis floribunda

最近は涼しい日も多くなってきて、すっかり秋ですね。

秋といえば食欲の秋、、なんだかお腹が空いてきましたね🌾

お腹が空いたと言えば、現在ねったいかんでは『穀物展』が絶賛開催中です!

穀物展と併せて秋でもトロピカルな雰囲気満載のねったいかんに
遊びに来てみてはいかがでしょうか?

玄関前では初めて実をつけた『マダガスカルジャスミン』が
皆さまをお出迎え!

実が成ってから弾けて種が飛び出すまで1年近くかかるという
気の長~い話ですが、楽しみですね♪

ハイビスカス各種 Hibiscus

トロピカルな雰囲気満載!
ハイビスカスもまだまだ咲いています☺

プルメリア オブツサ Plumeria obtusa

今年はブリッジわきの『プルメリア オブツサ』にたくさんの花芽が付きました!

いつもは頭上高くにちらほらと咲くくらいでしたが、低い枝にも花が咲いているので
今なら少し見上げれば白いかわいらしい花がご覧いただけます!

ミズレンブ Syzygium aqueum

ミズレンブの実が成りました!

つやつやとした表面と、洋ナシのような形が特徴的ですね。
シャリシャリとした触感でリンゴとセロリを混ぜて薄くしたような味で、
東南アジアでは水の代わりに食べるそうです。

 

フラグミペディウム シュリミー  Phragmipedium Schlimii

中南米原産で、属名の Phragmipedium は「phragma(分割)+pedilon(サンダル)」
からきています。

確かによく見ると濃いピンク色の大きな袋状の唇弁と呼ばれる部分が、
サンダルやスリッパのように見えますね!

デンドロビウム グロメラツム Dendrobium glomeratum

インドネシアのスラウェシ島原産の着生ランです。
赤とシャーベットカラーの紫色のコントラストが鮮やかで目を引きますね!

メディニラ スペキオサ Medinilla speciosa

花は薄いピンク色で実は熟すと濃い紫色に変わります。

冷室の階段の両脇にたくさん咲いていますのでぜひ
自然にできたメディニラのアーチをご体感ください(^^♪

他にもまだまだ紹介しきれない植物がたくさんあります!
ぜひ熱帯館に遊びに来てください♪

見どころ情報(8月16日号)『サガリバナが咲きました!』

皆さんこんにちは!

『サガリバナ』が開花しました!

今年はいつになく沢山の花房がついていて、実もなりました♪

サガリバナは東南アジアや太平洋諸島、日本では奄美大島以南に分布します。

夜に咲く一日花で、いつもは朝には落ちてしまうのですが、
今日は雨で暗いからか午前中まで花がのこっていました✨

沖縄ではサガリバナの花をボートに乗って見るナイトツアーがあるようですが、
水辺に浮かぶサガリバナの花を横目に見ながらボートを漕ぐのも情緒がありますね!

運が良ければサガリバナの花を見られるかもしれません。
この機会にぜひねったいかんへ遊びに来て下さい(^^)/

 

サガリバナ Barringtonia racemosa

見どころ情報(8月10日号)『今年もきれいに咲きました✨』

皆さんこんにちは!

去年のリフレッシュ工事の際移植した『グラマトフィルム スクリプツム シトリヌム‘ヒヒマヌ’』が今年もきれいに咲いてくれました!

着生していたインドゴムノキから切り取るような形で移植したので新しい場所でうまく咲いてくれるか心配していましたが、無事に咲いてくれて一安心です(^^)

ここ1~2週間が見ごろとなりますのでぜひご来館の際はチェックしてみてくださいね♪

グラマトフィルム スクリプツム シトリヌム‘ヒヒマヌ’ Grammatophyllum scriptum var. citrinum