こぼれ話1月29日号『カクチョウランが咲いています!』ねったいかんの絶滅危惧種②
もうすぐ2月に入りますが、ますます寒さが厳しくなったように感じます。
冬でも暖かい『ねったいかん』に遊びに来てみませんか?
12月に咲き始めたカクチョウラン。そろそろ咲き終わりが近づいています。
咲き終わる前に、ぜひご覧いただきたいと思い今回はカクチョウランについて
ご紹介します。
カクチョウラン(鶴頂蘭)学名 Phaius tankervilleaeは、種子島、屋久島以南に分布する
大型の地生ランで大きなものでは花茎が1mを超えるものもあります。
その姿はとても日本に自生するランとは思えないほど大きくて迫力があります。
カクチョウランの分布域は、日本だけでなく東南アジアから東太平洋に沿って、ジャワ、パプアニューギニア、オーストラリアにまで及びます。
自生地のひとつである奄美大島では、端午の節句をはさんで4月下旬から5月中旬にかけて開花期を迎え、花が終わると梅雨に入るそうですが、なぜか『ねったいかん』では毎年12月から1月に咲き始め、2月から3月に咲き終わります。
カクチョウランの花は、花茎の上に複数個かたまって下向きに咲きます。花の大きさは10㎝ほどあって斜めから見るとツルが飛んでいるように見えることから、鶴頂蘭と呼ばれるようになったそうです。
カクチョウランについては、幕末の奄美民族誌に、「四月花開、茎長三、四尺、花外白、内朽葉色、形鶴ノ如飛、葉大サ似馬蘭」という記述とスケッチが見られ、当時はよく見られる植物であったようです。
しかし、現在では環境省レッドリスト絶滅危惧II類 (VU)(絶滅の危険が増大している種)に指定されています。カクチョウランは日当たりよい場所を好み、山間部の農耕地や道路ぎわの日当たりよい場所に生育します。くすんだ色の小さい花が多い中で、大型で鮮やかな色合いのカクチョウランの花は大変目立つので、乱獲されてしまったようです。
貴重なカクチョウランの花が咲き終わる前に、ぜひご覧ください。
他にも雲霧林ゾーンには見どころがたくさんあります。
Dendrobium glomeratum デンドロビウム グロメラツム
Coelogyne セロジネ各種
Dendrobium infundibulum デンドロビウム インファンディブラム
Brachychilum horsfieldii ブラキキルム ホースフィールディー
見ごろのうちにぜひねったいかんに見に来てください!