谷津干潟自然観察センター(谷津干潟公園センターゾーン)

谷津干潟について

谷津干潟は東京湾の最奥部に残された約40haの干潟です。ここには、水鳥をはじめ、ゴカイ・貝・カニ・プランクトンなどたくさんの生きものが生息しています。特に、シベリアやアラスカなど北の国と東南アジアやオーストラリアなどの南の国を行き来するシギやチドリなどの水鳥にとって、渡りの中継地として大変重要な場所となっています。
このため谷津干潟は、水鳥の生息や水の浄化など様々な働きを持つ干潟などの湿地を保全し、ワイズユース(賢明な利用)することを目指す「ラムサール条約登録湿地」となっています。また、水鳥の保全を目的とする「東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ」に参加しています。

谷津干潟の自然

子育てのために渡ってくる夏鳥、越冬のために渡ってくる冬鳥、そして春と秋の渡りの途中に立ち寄る旅鳥と、四季を通して多くの野鳥と出会えます。1年間に谷津干潟の周辺で確認される野鳥の種類は110種以上で、そのうち水辺の鳥は約70種です。
干潟の周囲は、「自然生態観察公園」として約3.5kmの遊歩道、雨や陽射しをよけるシェルター、干潟を望む観察デッキなどがあります。水鳥の観察はもちろん、朝夕に潮の満ち干による景色の変化を楽しむことができます。
干潟の南側にある「谷津干潟自然観察センター」では、谷津干潟の自然に詳しいレンジャーが観察の案内を行っていますので、どなたでも谷津干潟の自然を気軽に楽しむことができます。

シギ・チドリの渡り

渡り鳥とは季節によって、子育てや冬越しのために遠くに移動する鳥のことです。移動する範囲や距離は種によってさまざまです。
谷津干潟に飛来する水鳥で、シギ・チドリ類とよばれるものの中には、シベリアやアラスカからオーストラリア・ニュージーランドまでその距離12,000km以上を旅するものがいます。
谷津干潟にやってくる主なシギ・チドリの故郷は、シベリアやアラスカの北極圏などにあり、ここで、親鳥は卵を産み子育てをします。このような場所を「繁殖地」といいます。 繁殖地が凍てつく季節を迎えるころ、シギ・チドリは冬を越すために南のオーストラリア・ニュージーランドへ向かいます。冬を越すための場所を「越冬地」といいます。
越冬地へ向けて12,000km以上を一気に飛ぶこともありますが、途中で、谷津干潟のような干潟や水田など「湿地」と呼ばれる環境で、翼を休め、ゴカイやカニ、昆虫などを食べ、エネルギーを補給し移動する場合もあります。このような場所を「中継地」といいます。
谷津干潟は、これらの渡り鳥にとって「サービスエリア」のような役割をしているといえます。人が車で、長距離の旅行をするとき、その途中で必ずサービスエリアにより、休憩し、食事を取るのに似ています。
このような渡り鳥を保全していくためには、「繁殖地」・「中継地」・「越冬地」にあたる国々が、互いに協力しなければなりません。渡り鳥にとってはどれひとつ欠けても、彼らの生存がおぼつかなくなるのです。

谷津干潟の歴史

谷津干潟は東京湾の最奥部に位置する広大な干潟の一部でした。1971年から現在の谷津干潟の周囲に広がる干潟の埋め立てが始まります。長方形にとり残された干潟は1974年頃から「谷津干潟」と呼ばれるようになり、市民による干潟の保護運動のシンボルとなりました。1988年に国の鳥獣保護区に指定されて谷津干潟を保存することが決まり、1993年に国際的に重要な湿地として認められ、「ラムサール条約登録湿地」となりました。
くわしくは「谷津干潟の歴史年表」にてご覧いただけます。

谷津干潟の歴史年表」(2014年12月17日更新)

谷津干潟の保全に向けて

谷津干潟が「ラムサール条約」の登録湿地に認定された1993年6月10日にちなみ、習志野市では、1997年(平成9年)に6月10日を「谷津干潟の日」として制定し、毎年6月には「谷津干潟の日」にちなんだイベントを開催しています。
近年の谷津干潟では、緑藻・アオサの繁茂と腐敗、泥の流出、渡り鳥の食物となるゴカイ類の減少、干上がる干潟面積の減少等の環境変化が見られ、シギ・チドリ類の飛来数も減少しています。
谷津干潟は、地域住民や自然保護団体、行政など各関係者の取り組みによって保存・保護されましたが、今後の課題は保全に向けた取り組みです。
このため、谷津干潟の現状について広く共有する機会を設け、水鳥の飛来数やゴカイ等の底生生物のモニタリング、アオサやごみの回収等、行政と地域住民、研究機関、企業等が一体となり、 “地域協働”によって谷津干潟の保全を進めていく取り組みが求められています。

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