こんにちは。少年自然の家です。
野外炊事場の「かまど」は、いつも力強く薪を燃やして子ども達のご飯づくりを見守ってくれています。
少年自然の家が出来た時から現在に至るまで、約40年以上にわたってたくさんの子ども達がこのかまどで野外料理の楽しさを体験し育ってきました。
そんな守り神のようなかまどですが、長年頑張り続けてきたため、内側の壁がはがれたり、穴が開いたりなど傷んできて、見ていてかわいそうなほどになってしまいました。
折しも、ちょうど少年自然の家は全館工事中のため約1か月間にわたって閉鎖させて頂いていますが、この機会にぜひかまどもかつてのように力強く復活してもらおうということになりました。
ということで、今日はやまちゃんとどんべえの2人で野外炊事場まで出かけて、本格的な補修工事の前に試験的にいろいろやってみようということになりました。
まずは小さなハンマーでかまどのあちこちを優しく叩き、ボコボコ音がするところや今にもはがれそうなところを丁寧にはがしてゆきます。それが終わったら次にホウキで中をきれいに掃き清め、破片やほこりが無いようにします。
そうやって下準備ができたらいよいよセメントを塗る作業です。耐火セメントを少し硬めに練ったものをコテで手早く塗り広げてゆきます。耐火セメントは普通のセメントに比べて固まるのが早いので、スピードが命です。あっという間に水分が飛んでボロボロになったり、そうさせまいと水を多めに入れたらシャバシャバになったり、一方で野外炊事場を吹き抜けるものすごい寒風に縮みあがったり、いろいろありましたが一生懸命取り組み、決してきれいではありませんが何となく思い描いていたものが出来ました。よし、補修工事はこの方法でやろう、と決まり帰途につきました。
「すごく楽しかった!セメントって初めてだったけど面白いねえ!」とやまちゃんが目をキラキラさせながら話してくれました。昆虫や植物が好きで、今まで小さくて繊細なものにたくさん触れてきたやまちゃんですが、新たな楽しみを発見したようです。確かに、今日は苦労しながらも思い切りよく作業するたくましい姿が垣間見えていました。
彼女なら立派な左官屋さんになれるだろうな、と、作業の先生役をさせてもらった私は頼もしく思いました。
やまちゃんの新たな修行が、いま始まりました。
【どんべえ】