こんにちは。少年自然の家です。
今朝出勤してみると「少年自然の家だより」執筆の当番が昨日に引き続きまた私になっていました。そこで今日は、昨日の弁天様のお話に出てきた「足見田神社」の「お諏訪踊り」について書いてみようと思います。
ここ水沢町はかつて水資源に乏しく、農業用水はおろか飲み水を得るために大変な苦難の歴史をたどって来たことは昨日少し触れましたが、江戸時代初期に村名主となった「辻久善(つじきゅうぜん)」という方がその窮状を見かねて立ち上がり、長い年月をかけて全長2キロにも及ぶ「瀬戸用水」を完成させました。このことによって水沢の田畑は潤い、その後の発展の礎を築いたと伝えられています。
「お諏訪踊り」は幾多の困難を乗り越え瀬戸用水を完成させた辻久善への「お礼踊り」として1720年に始まり、現在でも世代を超えて受け継がれ、四日市市の無形民俗文化財にも指定されています。そして毎年夏になると「足見田神社」の「水まつり」で、花笠をかぶり大きな「締め太鼓」を首に下げて、バチをふるい跳躍しながら踊るダイナミックな舞が奉納されます。
(※参考文献 「水沢の伝統文化 お諏訪おどり」 四日市市立水沢小学校きらら通信)
少年自然の家には、この貴重な伝統芸能「お諏訪踊り」の踊り手がいます。
そう、水沢うまれの水沢そだち、われらの山ちゃんです。
ということで、お諏訪踊りに激しく心惹かれた私はいそいそと山ちゃんのもとへ出かけました。
「まずですね、頭に高い花笠をかぶって、首からでっかい太鼓を下げるんですよ。」
忙しいのにわざわざ体育館まで来てくれた山ちゃんはニコニコしながら説明を始めました。
彼女は水沢小学校在学中に6年間みっちり、お囃子と唄、そして踊りを仕込まれたそうです。
山ちゃんと一緒に見よう見まねで踊ってみますが、慣れない動きに足がもつれてなかなかうまくできませんでした。踊りの中で何度も回転するので、踊り手のなかにはフラフラになってしまう人もいるようです。
「だいぶ忘れちゃいましたけどね。」と言いつつも、弾けるような笑顔で軽快な跳躍を見せる生き生きとした山ちゃんの様子を眺めながら、ああ、ここにも弁天様がいらっしゃったのだな、と思いました。
そして今年の夏はぜひ足見田神社にお諏訪踊りを見に行って、水沢町の歴史を肌で感じてみたいなと思いました。
【どんべえ】