
ヌーヴェル赤羽台
より季節の移ろいが感じられる空間に。
1962年に誕生し、高度経済成長期における日本の都市型居住モデルを確立した赤羽台団地。2000年、独立行政法人都市再生機構(以下UR)を主体に建替事業がスタートし、西武造園としては2014年からプロジェクトに参画。2024年の事業完了まで外構・植栽工事に携わりました。団地文化の継承と、みどり豊かな住環境の再生がテーマとなった本プロジェクト。歴史と現代の生活が融合する団地「ヌーヴェル赤羽台」にみどり溢れる空間を創出すべく、営業・施工管理・ICT担当など多くの部署が協働して挑みました。
竣工年月 | 2024年10月 |
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所在地 | 東京都北区赤羽台 |
発注者名 | 独立行政法人都市再生機構 |
- 調査・企画
- 計画・設計
- 施工管理
- 維持管理
- 管理・運営



MEMBERS
西武造園プロジェクトメンバー

営業部
営業企画課
(官庁担当)
W.T

東日本統括支店
みどり環境部
工事課
(官庁担当)
S.K

営業部
営業企画課
(ICT担当)
H.T
※所属および内容はインタビュー時点のものです。
注目の大型団地の建替事業に参画造園のプロたちが未来の団地づくりに挑む。

「ヌーヴェル赤羽台」の前身である赤羽台団地は、昭和中期に建設されて以降、当時の先端技術や全部屋が角部屋になるスターハウスなど斬新な空間活用方法が導入された「名作団地」として長くそこに住む方々や建築ファンの方々に愛されてきました。敷地には国の登録有形文化財に登録されるかつての住棟が残されているほか、日本の暮らしの変遷を紹介する施設「URまちとくらしのミュージアム」が2023年にオープンしています。そんな歴史的価値ある大型団地の建替事業に参画することは、工事規模・内容ともに意義ある案件になると、営業メンバーの間ではプロジェクト開始時から注目していました。2014年から造園の業務に関する入札手続きに向けて動き出し、2022年までに計4街区の造園工事を受注しました。
携わる人数や協力企業の数も膨大となった本プロジェクト。現場の工事がスムーズに遂行されるよう、社内外とコミュニケーションを綿密に取り合い、慎重に工程の段取りを調整する必要がありました。現地にも足を運び、関係各所との打ち合わせも重ねたうえで入札手続きを進めていきました。

営業担当
四季を彩るみどりの空間をつくるために鍵となった、段取り力と調整力。

最も調整が求められたのは施工管理の現場でした。今回のプロジェクトは、公園の新設事業等とは異なり、既存建築物の建替工事です。西武造園は広場のデッキ・ベンチの施工、舗装、排水にかかわる管路の整備、植栽などを担当しましたが、建築工事が完成しないと作業に入れない箇所も。舗装等の協力企業の手配、コンクリートや芝生の施工に至るまでの段取りを組むためには、住棟の進捗を把握しておくこと含め、同時並行で各所と細かく調整を図る必要があったのです。
またヌーヴェル赤羽台には、「団地全体で四季を感じられる暮らしをつくる」という設計主旨が掲げられていました。私たちが担当する植栽工事は、そのコンセプト実現の根幹を担う重要な業務。シンボルツリーとなる樹木の選定や、高中木約30種、低木・地被類もあわせると60種類をこえる植栽の植え付け順の検討、既存樹木を生かした植栽範囲の設定など、考慮すべき要素は多岐にわたりました。植物という生き物を扱うため、搬入のタイミングにも細心の注意を払いながら現場の施工を進めていきました。

施工管理担当
芝生管理のイノベーション。ロボット芝刈機の実証実験を実施。

一部街区の竣工後、ヌーヴェル赤羽台では試験的にロボット芝刈機Automower™(オートモア)3台を導入。全国に団地を多く有しているURから、将来的に団地の植栽管理にロボットの導入を考えているというご相談から始まりました。営業部門が窓口となり、URと協議を重ね、技術面でICT部門が連携。2023年10月より本格的に実証実験がスタートしました。
バッテリーで動くロボット芝刈機は、ガソリンを使う製品より環境負荷が少ないのも特徴です。今回の実証実験を機に全国に導入され、ロボットによる芝生の管理がスタンダード化すれば、居住者にとって負担となる草刈り作業時の騒音がなくなり、小石等の飛散による事故の防止、さらには排気ガスの低減など自然環境保全の一助にもなるかもしれません。造園業としても、夏場の熱中症対策や人手不足といった課題の解決につながります。今回のロボット芝刈機の実証実験をきっかけに、芝生管理のICT化という新たなモデルの確立にもつながることが期待されています。

ICT担当
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