彩りの秋 

先日は2~3日涼しい日が続き、だんだん秋が近づいているのかなと感じるようなお天気でしたね。
ねったいかんでは真夏の花がピークを越え、徐々に植物たちが実や種をつけるなど、秋の訪れを感じます。
日本は春夏秋冬、季節の移り変わりがはっきりしていますが、熱帯は常に暑く季節の変化がありません。
そのため、一年中花を咲かせる植物も多いです。
しかし、日本の温室で熱帯の植物を育てるとやはり気温の変化などの影響を受けるので、季節によって生育が
変化します。
たとえばミズレンブ。
ねったいかんでは夏に花を咲かせ、9月頃に実をつけます。
今は小さな実がたくさんなっているので、大きく成長したら試食会を開きたいと思っています。実は成長すると鮮やかな赤になります。
次に、キミノバンジロウとストロベリーグァバ
こちらも、実が成長中で、熟すとキミノバンジロウは黄色に、ストロベリーグァバは赤くなります。
やはり、試食会ができたら良いなと思っています。
ストロベリーグアァバ
キミノバンジロウ
こう見えて、キミノバンジロウもストロベリーグァバも先ほどのミズレンブとは仲間で、同じフトモモ科です。
花を見るとそっくりですね。
さらに、こちらはブラキキルム ホースフィールディー
かみそうな名前ですね。こちらは実の部分が鮮やかなオレンジで、実から出てくる種が真っ赤です。
ふだんはとても地味な植物なのですが、この時期だけ派手な姿が見られます。
ブラキキルム ホースフィールディー
他にも、真夏とはまたちがう植物のすがたが見られますよ。
秋の変化は一瞬ですから、ぜひぜひ、お見逃しなく!!
( I記)

植物担当スタッフのこぼれ話 | 更新日:2013.09.04

「むかご」って な~に?

猛暑の中、みなさまお元気ですか?
ねったいかんの植物、特にバナナなど熱帯性の植物は、ここぞ!とばかりに、すくすくと育っております。
さすがに屋上の鉢物は少しぐったりしている鉢もあります。
植物は昼間の温度はある程度高くても大丈夫ですが、夜間の温度が下がらないのが最悪です。人間も休まらないですよね。
また昼間でも日陰で38度を越えるなんて、思ってもみませんでしたよね。でも旧盆過ぎにはきっと少しは涼しくなってくれるのではと期待しつつ・・・。
突然ですが、「むかご」ってご存知ですか?ヤマノイモの「むかごご飯」を食べたことのある方はいらっしゃるかと思いますが。
私の大好きな花の一つのオニユリにもあります。
ねったいかんの回廊にはむかごが花盛り!?です。
むかごとは芽の一種で、地上部に生じた定芽が、養分を蓄えて肥大して、母体から離れて発芽し、
栄養繁殖の役に立っているもので、茎が多肉になったものを肉芽といいます。また、葉が多肉になったものを鱗芽といいます。
その1.宇宙イモ 別名:エアーポテト  Dioscrea bulbifera cv. Domestica ヤマノイモ科
ニガカシュウの栽培変種といわれています。葉がハート型で大きく、またむかごが大きなものでは握りこぶし位になり、
空中に下がる様は大変ユニークで、緑のカーテンとして推奨しています。むかごも地下茎も食べられます。
その2.オカワカメ 別名:雲南百薬 和名:アカザカズラ  Anredera cordifolia   ツルムラサキ科
ハート型の葉が一列に並ぶ様子はかわいいですね。葉をゆでて食べます。
むかごを植えても増えますし、冬場に地上部が枯れても凍らせなければ、来年暖かくなってくると葉がでてきます。
その3.熱帯性スイレン  Nympaea ×hybrida スイレン科
スイレンには大きく分けて温帯性と熱帯性があり、熱帯性スイレンには夜咲種と昼咲種があります。
回廊にある種類は熱帯性の昼咲種で、なんと葉の中心にむかごができるタイプです。
熱帯性のスイレンの美しさは筆舌に尽くしがたいものがありますが、とにかくきれいです。
ねったいかんでも過去に他の植物園から余剰株をいただいてきて、池に展示したのですが、一晩というのは大げさですが、
2晩で池のサカナたちの食料となってしまいました。東南アジアなどでは花や茎も食材として売られている位ですから、
無理もありませんが・・・。
そして生長するとこんなにきれいな花が咲きます。

植物担当スタッフのこぼれ話 | 更新日:2013.08.23

メディニラのトンネル(見どころ情報8月17日号)

メディニラ スペキオサが次々と咲いており、ピンクのトンネルとなっています。 (1月7日現在咲き終わっています。)
食虫植物コーナーでは、様々な種類の食虫植物を見ることができます。
(2月8日現在咲き終わっています。)
おなじみのハエトリソウや、ウツボカズラ
スミレのような花を咲かせるムシトリスミレ
 
種によって筒の形が様々なサラセニアや、捕虫葉の先が赤く鮮やかなモウセンゴケ
冷室では、ブラキキルム ホースフィールディーが色鮮やかな実と種をつけだしています。
(10月31日現在終了しました。)

植物担当スタッフのこぼれ話 | 更新日:2013.08.17

トーチジンジャーが咲いています(見どころ情報8月3日号)

巨大な葉をもつトーチジンジャーの花が咲きました。(温室)2つ目の花芽もあがってきています。
(9月14日現在花は咲き終わっています。)
ゴムノキに着生しているグラマトフィラム ヒヒマヌムも咲いています。(温室)
3つの花序が出てきているため、例年以上に豪華な見栄えになっています。
(10月19日現在花は終了しています。)
 
まるでチョウが舞っているかのような優雅な花のオオゴチョウも咲いています。(回廊)
(11月16日現在花は終了しています)
  
冷室では、イワタバコ科の植物が色とりどりの花々を咲かせています
(写真:上段右よりマツムラソウ、キリタ アリアスペリフォ、キリタの一種、下段右より シンギニア インスラリア、ストレプト カーパス)
(マツムラソウ、キリタの一種、シンギニアは9月14日現在咲き終わっています。キリタ アリアスペリフォは11月10日現在咲き終わっています。)

植物担当スタッフのこぼれ話 | 更新日:2013.08.03

メディニラ スペキオサが咲き始めました(見どころ情報7月20日号)

メディニラ マグニフィカに続き、メディニラ スペキオサが咲きだしました。(冷室) (1月7日現在咲き終わっています。)
こちらもシャンデリアのような花を咲かせますが、マグニフィカに比べてピンク色がうすく、雄しべの紫色がよく目立ちます。
メディニラのような派手な花もあれば、ちょっと目立ちにくい小さな植物たちもかわいい花々を咲かせています。
冷室ではレースフラワーバインやストレプトカーパスが清楚な花を咲かせています。
(レースフラワーバイン:10月3日現在花は咲き終わっています。)
温室では、ミヤコジマソウやエピスキア アカジョウ、シデラシス フスカタなどが咲いています。
(ミヤコジマソウ 10月3日現在花は咲き終わっています。)
(シデラシス フスカタ 11月16日現在花は咲き終わっています。)
(エピスキア 2月5日現在咲き終わっています。)
また、以前にも紹介した香りの良い花たちは、さらに多くの花を咲かせてみなさんをお待ちしております。
(シクンシ、オオソウカ、プルメリアは、11月16日現在花は終了しています)

植物担当スタッフのこぼれ話 | 更新日:2013.07.20

素通りなんかさせないゼ!(第2回)・・・ジャワマキ編

昨年の10月に第1回「素通りなんかさせないゼ!」を掲載し、ずいぶん期間があいてしまいました…。
地味で目立たず、多くのお客様に素通りされがちであろう植物を紹介する「玄人(くろうと)好みの植物」コーナーの第2回目です。
第2回目は和名「ジャワマキ」(Podocarpus imbricatus)です。日本の植物園ではおそらくほとんど見られない種類ですが、
家具材・建物内装材・合板材などの材木として日本に輸入されることもあるようです。
名前の通りマキ科マキ属の仲間ですが、学者によってはマキ科のダクリカルプス属(Dacrycarpus)と別の属に分類することも
あります。
これがジャワマキ
ジャワマキは夏大人気の涼しい冷室にあります。階段脇の石垣の上、ブラキキルム・フォースフィルディー(Brachychilum horsfieldii)の上です。 ブラキキルムもただいま開花・結実中ですよ。
階段から見上げてみましょう
ジャワマキはマキ属とは別の属に分類されるぐらいなので、日本で庭木や生垣によく使われる、マキ属のイヌマキ(Podocarpus macrophyllus)とは見た目がかなり違います。
これはイヌマキ
「あれれ…?こんな形の葉っぱの木を冷室でみたことあるよ。」そう気づいたあなたは、 かなりのねったいかん通です。
素晴らしいです!そう、じつは「イヌマキ」によく似た「ジャワマキ」も今までのねったいかんには存在していたのです…。
 
ジャワでもイヌでもありません・・・誰?
今回取り上げた「新しいジャワマキ」は今までずーっと名前の分からなかった「謎の樹木」だったのです。
それはどうも気持ちが悪い。何より「名無しの権兵衛さん」ではこの木がかわいそうだ!  
私はねったいかんのスタッフになってからというもの、一体この木は何なのか!その正体を明かすべく、調べ続けておりました。
そして、今回このイヌマキ似のジャワマキを「こんな日本の庭でよく見るイヌマキのような木がマレーシアの雲霧林にあるなんて
面白いなあ。こぼれ話に取り上げよう!地味だけど。」と思い、調べてみると「ジャワマキちがいだよ!」と今回の件が判明したわけ
です。
いやーすっきりしました!これは我々植栽チームにとってもかなり衝撃的でした。
しかし、今度は「元ジャワマキ」が名無しになってしまいました。時間はかかっても、本当の名前を調べたいと思います。
「本当のジャワマキ」は地味ですが、大変珍しい木です。ぜひご自分の目でお確かめ下さい。                                (M記)

植物担当スタッフのこぼれ話 | 更新日:2013.07.15

マツムラソウが咲いています(見どころ情報7月4日号)

冷室では、黄色の鮮やかなマツムラソウが咲きだしました。足元の低い位置に咲いています。
マツムラソウ
(9月14日現在花は咲き終わっています。)
冷室では他にツニアが清楚な白い花を咲かせています。ツニアは花期が短いので、特にお早めにお越しください。
ベゴニア等もたくさん咲いています。
ツニア(7月17日現在花は咲き終わっています。)
温室では、熱帯らしい真っ赤な花々が咲いています。
ヘリコニア ロストラータは、カニの爪のような独特な形の花を咲かせています。
ヘリコニア ロストラータ
(9月14日現在花は咲き終わっています。)
ベニヒモノキはふさふさとした、ネコのしっぽのようなさわり心地の花です。
ベニヒモノキ(10月31日現在花は咲き終わっています)
サンタンカやオドントネマ ストリクツム、アンスリウムも続々と咲いています。
サンタンカ(11月16日現在花は終了しています)
オドントネマ ストリクツム(10月3日現在花は咲き終わっています。)
 
アンスリウム

植物担当スタッフのこぼれ話 | 更新日:2013.07.05

ウツボカズラのつぼの中をのぞいてみよう!

ウツボカズラとは食虫植物で、葉の先をつぼのような形に変形させた植物です。
子供たちに人気のウツボカズラ、実際にご覧になったことのある方も多いかと思います。
よく「ウツボカズラは本当に虫をたべてるの?」「そのつぼ(袋)のなかに虫いるの??」と聞かれます。
さてさて、ねったいかんのウツボカズラは一体何を食べているのでしょうか?
ちょうどよく穴のあいたウツボカズラを発見したので、中を見てみましょう。
ウツボカズラさん お食事中にすみませんが、ちょっと失礼します。
  
た、た、た、大量の黒いブツブツが!!! こ、これはアリ!ねったいかんのウツボカズラたちはアリを食べているんです。
写真を見るとアリたちは水のような液体の上に浮かんでいますね。これは消化液で、アリたちは徐々に溶かされていきます。
お、おそろしい・・・
人間の目から見ると、なんでこんなつぼに落ちてしまうんだろう と思いますが、アリだっておそろしい液体の入ったつぼには
入りたくありません。
ウツボカズラは人にはわからないかすかな甘い香りをはなちます。そこに、虫が寄ってきてつぼの縁まで近寄ります。
つぼの中をのぞくと、何やら液体が入っていて、「ぬぬ、これはもしやウツボカズラのワナではないか!!」と思ってももう遅い。
つぼの縁には中に向かって細かな毛が生え、つるつるすべりやすくなっています。足をすべらせた虫はおそろしい液体の中へ
ちゃぽん・・・・・。
小さな弱肉強食の世界を垣間見てしまいましたね。自然は厳しいですね。
でも、ウツボカズラも必死です。 ウツボカズラは栄養分の少ない湿地に生えるので、虫を食べることで栄養をとるよう進化したと
考えられています。 
花を咲かせ、タネをつけるためには栄養が必要なのです。
現在ねったいかんではタネのついたウツボカズラを見ることができますので、来館の際にはぜひご覧ください。
( I記)

植物担当スタッフのこぼれ話 | 更新日:2013.06.22

マンゴー&ジャボチカバ 実っています!(見どころ情報6月20日号)

南国のフルーツといえば、マンゴーですね。現在2つ実っています。(温室)
とても落ちやすいのでさわらないでくださいね。(7月17日現在実は終わりました。)
巨峰のようで巨峰でない、不思議なフルーツ、ジャボチカバも実っています。(温室)
前回の見どころ情報でも紹介したパラミツと同じ幹生果(かんせいか)の一種で、枝でなく幹に実がたくさんなっています。
(8月5日現在咲き終わっています。)
 
冷室では、ほのかに香る清楚なシロバナホザキカクラン(ツニア)が咲いています。
(7月5日現在咲き終わっています。)
蓮(ハス)でなくバナナの仲間の地湧金蓮(ちゆうきんれん)はエントランスと冷室にてご覧になれます。
(9月14日現在終了しています。)
 
他にも、ゴレンシ(スターフルーツ)の花や、ランタナ、カッシア、ハイビスカス、ベゴニアなど、色とりどりの花々が咲いています。
また、温室のプルメリアも、木の上の方で咲きはじめました。
ゴレンシ(スターフルーツ)(7月17日現在花は咲き終わっています。)
ランタナ(11月16日現在花は終了しています)
カッシア(8月10日現在花は咲き終わっています。)
ハイビスカス(10月3日現在花は咲き終わっています。)
ベゴニア(2月5日現在咲き終わっています。)
* ヒスイカズラについて
    6月19日に放送されました“若大将のゆうゆう散歩”の中で、ヒスイカズラの開花の様子が紹介されましたが
    現在は、ヒスイカズラの花は終了しております。あらかじめご了承ください。

植物担当スタッフのこぼれ話 | 更新日:2013.06.20

ジャカランダがやっと咲きましたよ~!

やっと梅雨らしくなってまいりましたね。
わたしたちはジメジメ・ムシムシの梅雨は苦手ですが、植物にとっては恵みの雨ですね。
あの強い雑草ですら、ここのところの少雨でいじけていましたもの。でも今の私はウキ・ウキ・ウキ!
見て!見て!ジャカランダ・・・・5年のときを経て、待ちに待った1房がやっと咲きました。
約5年前、新宿御苑の温室の立替工事にともない、余剰植物の分譲が行われ、多くの植物がねったいかんにやってきました。
とても暑い日に掘り取りに行き、いただいて来た、その中の1本がこのジャカランダです。
もちろん新宿御苑では温室の中に植栽されていて、2.5m位の株でした。その日のうちに屋外に定植し、幹巻きや支柱も立て、
大切に養生しました。
温室の中では暑すぎることや、日差しが強くないと咲かないなどの情報を得ていましたので、思い切って屋外で栽培することに
しました。
日本では、開花時期は6月が多いので、その時期になると毎日見上げては今か今かと待ち望んでいました。
またお客様からもジャカランダは非常に人気があり、その時期に海外旅行をされた方はもう一度ジャカランダの花を見たい・・・・。
と多くの方からリクエストされていました。
いつ咲くの?いつ咲くの?と言われ続け、新宿御苑でも咲かずに、放出されたわけだから、咲きにくい種類かも、、、、と
あきらめかけていたところ、やっと1房ですが咲きました。とにかく散ってしまわないうちに見に来てくださいね。
*6月22日現在、花は終わっております。

植物担当スタッフのこぼれ話 | 更新日:2013.06.12
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