落ちた実の正体は・・・?
館内で、朝の見回りを行っているときのこと。
温室にかかっている橋を渡るとこんな光景を目にしました。
これ、何だと思いますか?
何度も来館されている方にとってはおなじみの光景かもしれません。
これはビヨウタコノキの実です。
私も初めて見た時は「なんじゃこりゃ~!」と驚きました。
木になっている時はサッカーボールのような形でも、1つ1つバラバラにしてみると六角形をしています。
そして鼻を近づけてみると…何ともいえぬ甘~い香りがします。
しかし、とても硬くて食べられたものではありません。おいしそうな香りだけに残念です。
外国では、仁(じん)とよばれる、実の中心部を蒸してつぶして、あげ団子にするところもあるようです。
ごま団子好きの私としてはぜひ食べてみたいのですが…
幸運にも実が落ちた日は、みなさんにも見ていただけるように、
橋の手すりやビヨウタコノキの根元に実を置いていますのでどうぞご覧ください。
その際、甘~い香りもぜひ楽しんでください。
こんなところにあんなものが!
最近ねったいかんで起きたちょっと珍しい出来事を今回は紹介したいと思います。
ねったいかんでは現在3匹のトラザメを飼育していて、
メスのトラザメは月に1回くらいのペースで卵を産んでいます。
トラザメ
トラザメの卵
自然界では、卵の上下に付いているクルクルとしたものを海藻などに巻きつけて固定するのですが、
水槽の中には海藻がないので、普段は砂の上にぽろっと落ちていることがほとんど。
しかしながら今回はこんなところに産み付けていました。
どこに卵があるかわかりますか?拡大してみましょう。
そうなんです、なんと、タカアシガニの脚の付け根に卵がくるくると巻きついているんです!
母ザメはいったいどうやってこんな見事に巻き付けたのでしょうか。
私もそのシーンを見ることができず・・・非常に残念です。
それはさておき、もしもちゃんと受精した卵であれば、うまくいけばタカアシガニに守られて卵の中で
赤ちゃんザメがすくすくと成長するかもしれません。これはとっても楽しみです。
今は卵の中には卵黄しか見えませんが、発生が順調に進むと下の写真のように赤く血管が走り、
小さな小さなサメの赤ちゃんが見えるようになってきます。
そして卵黄を栄養にして成長し、約1年たった頃に5~10cmほどの大きさで卵から赤ちゃんザメが出てきます。
元気な赤ちゃんザメが生まれますように。
あっ!実がなった!
急に寒くなってまいりましたが、皆さん風邪など引かれていませんか?
夏から急に冬が来てしまうような昨今の気象状況ですが、
日中はとても気持ちの良い日が続いていますね。
ねったいかんでは、屋外に出している鉢をしまったりと、冬支度に大わらわです。
植物を育てる中で、種をまき、芽が出て双葉から本葉になり、
その後何度かの植替えを経て、植物が順調に生育し、
「あっ!花が咲いた!」「 あっ!実がなった!」という結果に漕ぎ着けた時は、本当にうれしいものです。
ひとりでにやにやしてしまいます。きつい仕事もなんのその!終日気分よく働けます。
温室の中には花粉を媒介してくれる鳥や昆虫(ポリネーター)がいないため、
なかなか結実が望めませんが、一部は絵筆やピンセットを使い人工授粉を行っています。
一日花が多いため、花粉の出る時間帯などに合わせ受粉を実施します。
温室の中にもいろいろな実がなっていますが、今回は回廊にある”実”をご紹介します。
オオバイヌビワ
コーヒーノキ
チランジア・ウスネオイデス
シークァーサー
フクギ
ゴレンシ(スターフルーツ)
ハマベブドウ
ヒハツ
コバノボダイジュ
宇宙イモ
サイパンレモン
斑入りセイロンマンリョウ
世界のカエル展始まる!
半月ほどご無沙汰しておりました。もう、ずいぶん秋らしくなってきましたね。
さて、この半月間何もつぶやかずに何をしていたかというと・・・カエルの企画展の準備です。
ねったいかんでは10月29日から企画展「世界のカエル展」が始まりました!
ねったいかんで開催する企画展の内容はもちろんねったいかんのスタッフが考案しているのですが、
今回はカエル大好きな私の一押しの企画展です。でもカエルが大好きになったのは最近のこと・・・
じつは私、幼いころはカエルを触ることすらできず、八景島でカエル担当になるまではまったくの無知。
カエルといえば、
1.アマガエル 2.ヒキガエル 3.・・・うーん。というほどでした・・・。お恥ずかしい。
しかし、いざ担当になってみるとすごく面白い!カワイイ!奥が深い!完全にカエルのとりこです。
現在2Fの展示室で展示しているカエルは27種55点 !あんなカエルやこんなカエル・・・。
みなさん、下の写真のカエル、何ていう名前かわかりますか?
答えはぜひ企画展でご確認ください!
色々なカエルがいますので、きっと皆さまにもお楽しみいただけると思います。
カエル好きの方だけでなく、カエル苦手・・・というかたもぜひ。
あなたを虜にするカエルと出会えるかも!?
沖縄のマングローブの森の生きものたち
9/6~10/2まで行った企画展「沖縄展」が無事終了しました。
たくさんの方にご来館いただき、ありがとうございました。
中には沖縄県出身の方も見られ、故郷の話に花が咲いていたようで、
私たちにとっても楽しいものとなりました。
西表島のマングローブ林
さて、そんな展示室の一角を占めていたマングローブ※ 。
展示していたものは、葉が出始めたばかりの小さなヤエヤマヒルギですが、
実際に自生している様子はとっても独特です。
何が独特かというと、森の中へ入れば一目瞭然!
ぼこぼこと突き出した根っこで足の踏み場もありません。
根っこは空気を吸うために地上へ出ているので、こんな樹形(じゅけい)になっているのです。
そんなマングローブの森に住む生きものも、もちろん変わり者ばかり。
泥で固めた大きな家を作るのはオキナワアナジャコ、手のひらサイズの大きなシジミのシレナシジミ、
陸へ上がる魚のミナミトビハゼなどなど・・・
オキナワアナジャコが作った泥の家
シレナシジミ
ミナミトビハゼ
マングローブはそんな多種多様な変わり者達に隠れ家やすみかを提供しています。まるで海のゆりかごのよう。
ねったい館の温室に、オキナワアナジャコやシレナシジミはいませんが、樹高4~5mのヤエヤマヒルギ、
オヒルギ、そしてミナミトビハゼを見ることができます。
沖縄展が終わっても、沖縄の森の一端をねったい館で楽しんで見てはいかがでしょうか?
※マングローブとは、川の河口付近に自生する樹木の総称で、
日本における代表的なマングローブ構成種にはオヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギ、ヒルギダマシが挙げられます。
主に沖縄県で見ることができます。
困ったときのエビだのみ
最近、水草水槽をメンテナンスする中で、非常に手をやいていたことがあります。
糸状(いとじょう)のコケです。
じわりじわりとふえては、展示している水草にからまり、レイアウトを台無しにしてしまうこのコケ。
ピンセットで取ろうとすると、コケと一緒に水草までもが抜けてしまったり、
せっかく活着(かっちゃく:挿し木や移植した植物が根づいて生長すること)した
ウィローモスがいっしょにはがれてしまったり・・・。
さらにいくら取っても完全に取りきることができないため、しばらくするとまた増殖して、水草にからまるのです。
あぁ、なんとかしたい、この糸状のコケ・・・。
さて、そこに救世主として現れたのが「ヤマトヌマエビ」。
ヤマトヌマエビ
糸状のコケを好んで食べてくれるという、なんとも夢のようなエビです。
水槽に入れると、さっそく食べる食べる!
エビ投入初日と3日後の写真です。
流木についていた糸状のコケが減っているのがわかりますか?
水草水槽のヤマトヌマエビを見てはにんまりとする、そんな日々を送っています。
ゴバンノアシ
ゴバンノアシ
「碁盤の脚」です。温室の池に程近い場所にあります。
夜咲きの一日花ですので、なかなか皆さんに見ていただくことができませんが、
今朝はなんと10時を過ぎても咲いていました。
花は白色の総状花序です。花の先が淡い紅色に染まってとてもきれいです。
果実の形が角ばっていて碁盤の脚に似ていることから和名がつけられました。
先日ねったい館にお見えになった方はなんと!
“おばんのあし”と言ってはばかりませんでした!
失礼しちゃいますよね・・・いくら私の足が太くて短いからって・・・!
サガリバナ科の仲間には「ホウガンノキ」や「サガリバナ」がありますが、
当館でも、やっとサガリバナを導入しました。
樹高が2mほどある一度咲いた株ですので、来年は咲いてくれることを期待して大切に育てています。
芽の出ている様子
まさに“碁盤の脚”ですね!
かくれキャラが好き
10月になって急に寒くなりましたね。皆さま風邪などひいていませんか?
さて、今回のつぶやきネタは、私が水槽を作るときに楽しみにしていることについて。
私の楽しみ、それは、「かくれキャラを作ること」です!
水槽をよーく見てみないと気付かない、そんな生き物を展示することが大好きです。
ねったいかんでかくれキャラの宝庫となっている水槽は、サンゴの水槽です。
この水槽には、たくさんの隠れキャラが。
例えば、細長い魚のイシヨウジや黄色くて小さな魚のキイロサンゴハゼ。
イシヨウジ
キイロサンゴハゼ
水槽の前をさらりと通り過ぎるだけではきっと存在に気付かないでしょう。
さらにレベルをあげて、イソギンチャクモエビ、オドリカクレエビ、ニセアカホシカクレエビ。
イソギンチャクモエビは大きさが1~2cmの小さなエビで、オシリをふりふりする動作から、
別名セクシーシュリンプと呼ばれている、とってもかわいいエビです。
オドリカクレエビとニセアカホシカクレエビは体が透けすけの、透明人間ならぬ透明エビ。
写真を見てもいまいちわからないかも・・・?
そしてこの水槽のかくれキャラ番外編。
この水槽には10cm近くあるナマコがいるのですが、
お客様に「ナマコを探してみてください」といってもなかなか見つかりません。
さて、下の写真のどこにナマコがいるでしょうか?
見つかりましたか?
正解はこれ、真っ赤な色をした丸いのがナマコで、シーアップルといいます。
シーアップル
サンゴ水槽だけに、シーアップルもサンゴの仲間と思っている方が多いようですが、これでもナマコなんです。
ナマコというと、下の写真のような「黒っぽくて細長くて気持ち悪い生き物」というイメージですので、
皆さんなかなかナマコを見つけられない、ということなのですね。
他にもたくさん かくれキャラがひそんでますので、
時間のあるときは水槽をすみずみまでよーく観察してみてください。
きっと何か新しい発見がありますヨ。
ちっちゃいものさがし
↑これ、何だと思いますか?
正解は、のび始めたばかりのパパイヤの小さな葉っぱです。
ちなみに大きい葉っぱはこんな形です。↓
形がそっくりです。出始めたばかりの葉でも、いっちょまえに 「パパイヤの葉っぱだよ!」といっているようです。
こんな風に、いつもは見逃してしまいそうな小さな部分に注目して歩いてみると、色々な発見があります。
ほかにもまだまだあります。例えば、数年前からやっと咲きだしたプルメリアの花。
今、温室内ではこのプルメリアの花が咲いていますが、雄しべと雌しべはどこにあると思いますか?
・・・正解は、花の根本の部分です。
ちいさな雄しべと雌しべが一番奥にあるのが分かりますか?
花を割いてみるとアリがすぐに寄って来るぐらいなのでさぞかしおいしい蜜がそこから出ているのかもしれません。
小さい雌しべと雄しべがあります。
アリがやってきました!
プルメリアの故郷である熱帯ではどんな虫(鳥?)が、
どうやってプルメリアの蜜を吸いに来るのか観察してみたくなります。
きっと花の奥まで到達するのは一苦労でしょうね。
ねったいかんのプルメリアは皆さんに見ていただくためのものなので、
なかなか花を割いてお見せすることはできませんが、
みなさんも虫眼鏡を片手に「ちっちゃいものさがし」にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
沖縄展 始まる
あっという間に8月が終わってもう9月ですね。先月は2件しかつぶやけなかった・・・ゴメンナサイ!
私個人の目標では1週間にひとつぶやき。9月はたくさんつぶやけるように頑張ります。
9月最初のつぶやきは、企画展「沖縄展」について。
9月6日から、ねったいかんでは「沖縄展」という企画展が始まりました。
植物を中心に工芸品・特産品など、沖縄の自然と文化の一端を紹介しています。
水族館スタッフの私は沖縄の海をイメージして、
カラフルな熱帯魚やヤドカリ、エビ、サンゴなどのいる水槽を設置。
さて、普段水槽を設置するときには背面に「バックスクリーン」というものを貼り付けて、
水槽の裏側を見えないようにすることが多いのですが、今回の水槽は、バックスクリーンなしにしてみました。
通常の水槽を後ろから。白い紙がバックスクリーン。
今回の沖縄展水槽
水槽の前でハイチーズ!
水槽の後ろでハイチーズ!
どうかな?
少し顔が暗くなってしまうのですが、前を魚たちが泳いでいてなかなかステキかも!
鼻をつまんだり、息をこらえるふりをしたりするのもアリです。
沖縄の海に実際に潜りに行くとなると、練習も必要だしお金もかかる。学校や仕事も休まなきゃ・・・。
行きたいけど行けない!そんな方、ねったいかんで沖縄気分を満喫してみませんか?
ちなみに沖縄展開催期間中の9月19日は敬老の日なので、
65歳以上の方は入館無料(年齢のわかるものをお持ちください。)、
23日・24日・25日は、ねったいかんの開館記念イベント開催で皆さま入館無料です!
皆さまぜひ遊びに来てくださいね!