魚たちの驚くべきビフォーアフター
4月2日の休館日に、ねったいかんの一番大きな池水槽の魚の入れ替えを行いました。
魚たちが着々と成長し、魚の密度が高くなってしまったためです。
今回取上げした魚は大きく成長したシルバーバルブたち。
お引越先は、横浜・八景島シーパラダイスです。ねったいかんよりも大きな水槽があるため、
そちらでのびのびと暮らしてもらうためにお引越することにしました。
かわりに八景島からやってきたのは、まだまだ小さなシルバーバルブ。
さて、新しくやって来た小さなシルバーバルブと、
ねったいかんにずっといた大きなシルバーバルブとの大きさがどれくらい違うかと言うと・・・。
・・・こんなに違うのです!ものすごい大きくなるのです!
しかもねったいかんのシルバーバルブは、じつはやや太っちょバルブだったりします・・・。
このシルバーバルブのお話から皆さまにお伝えしたいことがひとつあります。
それは、ペットショップなどでもしも生き物を飼いたくなったときのこと。
生き物を飼い始めるときには、その生き物がいったいどれくらいまで成長するかをちゃんと調べてから飼うようにしましょう。初めは小さくてかわいらしくても、のちのち超ビッグサイズになって手に負えなくなることもあります。
ちゃんと飼えるのかどうかを考えて、責任を持って飼育してほしいのです。
池水槽は今まで大型魚をメインで展示しましたが、これからは、大型魚と小さくてかわいい魚を一緒に飼育していけたらなーと思っています。
おおっ!そうか!
今年は例年にない寒さが続いていますが、ここのところの強い陽射しで、桜の蕾もだいぶ膨らんできましたね。ちらほら咲き出している樹もありますね。今日から新年度。魅力あるねったい館になるようスタッフ一同頑張ります!
ねったい館でも、ヒスイカズラやハイビスカスなどの華やかな花が注目されがちですが、今回は名前にインパクトのある地味な花と実を紹介します。
「オウソウカ」
漢字では鶯爪花と書きます。ちなみに中国名は鷹爪花です。
東南アジアに自生するカギ爪を持つ、つる植物です。「爪」は釣り針のような形をしていて、この爪を他の植物などにひっかけてよじ登っていきます。 光を求めて、こんなかぎ爪に進化を遂げた植物のなんという不思議!ねったい館ではマレーハウスの脇につるを這わせてありますので、ぜひご覧下さい。
(写真左より)カギ爪、内花被と外花被、実
花は鶯色から淡黄になる6弁花で、潅水時などで枝が揺れると夕方には良い香りがします。イランイランに似た花をつけるからでしょうか、ツルイランイランとも呼ばれています。
またこの実はオランウータンが好んで食べるそうです。
名前といえば、日本で胡蝶蘭と呼ばれるファレノプシスも、もとは「蛾のような」という意味合いで付けられたことから、蛾より蝶、鷹より鶯・・・・と「さすが感性豊かな日本人!」と感じますが皆さんはいかがですか?
PS・・・温室内のマスコットの「コケHAERU」です。名前を勝手につけました。
コケガエルのお友達です。どうぞよろしく。
滝の辺りにいるので、探してみて下さいね。
( I K 記 )
今年度を振り返ってみました。
春休みに入り、ねったいかんも毎日大にぎわい。3月ももうすぐ終わりということで、
「あのつぶやき話の続きはどうなったの?」「あの水槽はいまどうなってるの?」
と話の続きが気になるお客様のために、
いくつかの水槽の続編的なものをつぶやいてみようかなと思います。
7月31日のつぶやき話「クマノミたちのイス取りゲーム!?」続編
クマノミたちの水槽は、年末年始の休館中に高さの低い水槽に変更し、
現在は大きなハタゴイソギンチャクが2つ、ちいさなタマイタダキイソギンチャクが1つ入っています。
右の大きなハタゴイソギンチャクに2匹のセジロクマノミノペアが、
左の大きなハタゴイソギンチャクには1匹のハナビラクマノミが。
そして左端の小さなタマイタダキイソギンチャクにカクレクマノミが1匹。
せっかく大きなハタゴイソギンチャクがあるので、みんな仲良く暮らして欲しいのですが、
セジロクマノミもハナビラクマノミも、断固として他のクマノミたちを寄せ付けません。
クマノミの世界もなかなか厳しいようです・・・。
10月16日のつぶやき話「困ったときのエビだのみ」続編
コケ対策のために水草水槽に入れたヤマトヌマエビたちの働きっぷりをお見せしましょう!
見てください、まったくコケが生えなくなりました!
ウィローモスも、コケに邪魔されることなくすくすくと育っています。ヤマトヌマエビ、素晴らしいです!
彼らの働きっぷりを見習わなければ・・・。
11月12日のつぶやき話「こんなところにあんなものが!」続編
タカアシガニの足に産み付けられた卵は残念ながらふ化しませんでしたが、
養生室では他の卵からかえったトラザメの赤ちゃんがスクスクと育っています。
卵の中にも元気なサメの赤ちゃんがたくさん。みなさまにお披露目できる日も近いかも!?
1月9日のつぶやき話「暗くなってからのお楽しみ①」続編
暗くなってからしか見られなかったボルネオカワガメのボルタン(ねったいかんスタッフの間でのニックネームです)。
最近、日が長くなってきて、このままだと閉館中にしか水槽に入らないんじゃないか・・・と心配しましたが、
暖かさも関係あるのかこの頃は早ければ4時台に水槽に入ることも。
明るい日の元で見るボルタンもとってもかわいいですヨ。
4月以降も頑張っていろいろつぶやいてみようと思いますので、これからもどうぞよろしくお願いします。
ヒスイカズラ開花情報
寒さの中にも春を感じられるようになってきた今日このごろ。
ヒスイカズラもどんどん開花しています!
アーチの下の房も花が咲きはじめました。
お客様からはよく、「いつごろが満開ですか?」 というご質問をいただくのですが、この答えはとても難しいんです。
なぜなら、花は房の上の方から咲きはじめ、下の花が咲いていくにつれて上の花は落ちていってしまうのです。
残念ながら、房全体が満開ということではないのです・・・
しかし、今年は本当にたくさんの花芽がでてきていますので、
これからしばらくは順番に咲いていく花を楽しむことができそうです。
3月20日からは、ブリッジが通行できるようになる予定です。
春休み特別展「体感水族館」が始まりました!
なかなか春らしくなりませんが、ねったいかんでは3月10日から春休み特別展「体感水族館」が始まりました!
「海の生物たちを体で感じられる展示」というコンセプトで作ったこの特別展。
今回のつぶやきで簡単に内容を紹介しようと思います。
①魚の気分でのぞいてみよう
展示室正面に設置してある水槽にはカラフルな熱帯魚が泳いでいるのですが、
ガラス面のマルの中から水槽をのぞきこむと、魚の目線で水槽内を見られる仕組みになっています。
のぞいてみよう!
②魚にたべられてみよう
「ドクターフィッシュ」の名前で有名なガラ・ルファを展示しています。
水槽にはもちろん指を入れることができ、ガラ・ルファがあなたの指を食べてお掃除してくれます。
とっても人気なコーナーで、初日も大盛況でした。
③クリオネの海はどのくらい冷たい?
とってもかわいいクリオネたちの住む海の冷たさを実感してもらうために、
水温5度の水槽を設置し、手を入れられるようになっています。
もちろん横には本物のクリオネも展示してますヨ。
④ヒトデの実験コーナー
ヒトデをひっくり返したり、棒でとじこめたりして、ヒトデがもとどおりに戻る様子を楽しく観察できます。
こちらもとっても大盛況!
その他にもミンククジラの大きな頭骨などが触れる標本コーナーを始め、いろいろなコーナーがあります。
1日2回、テッポウウオの水鉄砲パフォーマンス、カメタッチタイム、
金魚は色を見分けられるのか?!のパフォーマンスも行っています。
4月8日までの約1ヶ月開催しているのでぜひ見に来て下さいね。
※熱帯環境植物館は月曜日が休館日となっております。(祝日の場合はその翌日。) ご注意ください。
咲きはじめました!
今年も咲きはじめました!そう、ヒスイカズラです! 開花は遅れましたが、例年になく何十本もの多くの房が垂れ下がってきていて、そのうちの2本が咲きはじめました。
(冷室側の壁面にはすでに何本か咲いています。)
現在、屋上の工事にともないブリッジを閉めさせていただいていますが、ヒスイカズラのアーチの部分のみ冷室側からご覧いただけます。冷室の階段をおりて右の扉を入るとヒスイカズラのアーチの下になります。
車椅子やベビーカーのお客様にはご迷惑をおかけいたします。3月下旬にはみなさまに見ていただけるようになる予定ですので、もう少々お待ちください。たくさんの房が花を咲かせるのにももう少し(1~2週間くらい)かかりそうですが、やはり咲きはじめがきれいです。
花房がいっぱい!
こぼれ話では開花状況もお伝えしていきたいと思います。
飼育係は見た!
少しずつ春が近づいて来ている気配がする、今日この頃。
私の頭の中は今、3月10日からの春休み特別展“体感水族館”のことでいっぱいです。
さて、2月14日にサンゴの水槽を ながめていたときの出来事をご紹介します。
サンゴの水槽には、2011年10月8日のつぶやき話でお話したように、かくれキャラ的な生物 がいろいろいます。
サンゴ水槽
中には水槽内にいるものの、岩のすきまなどに隠れてしまって、
どこにいるのか行方不明(!?)になってしまう生き物も。
2月14日には 、キンチャクガニという、甲幅1cmくらいの小さなカニをすごく久々に発見しました。
キンチャクガニ
すごく小さいカニで、ハサミには、これまた小さなイソギンチャクをはさんで“フリフリ”するという、
とってもかわいらしいピンク色のカニです。
ところで、水族館の水槽には「魚名板(ぎょめいばん)」という、魚の名前や学名、
科などを写真といっしょに載せたものが貼ってあります。
魚名板
これは、お客様が「あれ、あの魚、なんていう魚かな?」と思ったときに見ていただくために設置されているのですが、
水槽に入れたものの、 あまり見かけなくなってしまった生物については、飼育係はとっても困る訳です。
魚名板を貼っていてその生物が見当たらないと、お客様からたまに 「この生物どこにいるんですか?」と聞かれたり。
はたまた「もしかしたらもういないのかも・・・」と思って魚名板をはがすと、突然ちらりと現れる・・・。
そしてお客様に「あの生物、なんていう生物ですか?ここに載ってないんですけど。」と聞かれたり・・・。
まぁ、かくれキャラ的な生物をあの水槽で展示しようとする私が悪いのですが、本当によく頭を悩まされます。
今回発見したキンチャクガニに限っては、ずいぶん長い間見かけなかったため、
数ヶ月前に魚名板を外し水槽の中にいないものと思っていた生物。
ちっちゃいだけに、いろんなところにかくれんぼしていたのでしょう。
そんなにかくれてないで出てきてほしいなぁ・・・。
自信を持ってキンチャクガニを展示するために、最近新たなキンチャクガニが20匹 やってきました!
これでみなさんに見つけてもらえるようになるでしょうか。
それとも、またかくれてみんなを困らせてくれるのでしょうか・・・。
とりあえず、魚名板はつけることにしました。
ねったいかんへ来た際は、サンゴの水槽でキンチャクガニを探してみてくださいネ。
そして見つけたときにはぜひ、スタッフへご一報を!
じゃがいもプレゼント
今回はまた水族館ネタとは違う話題をひとつ。
19日、ねったいかんでは「芋と豆展」にちなんだイベント 「じゃがいもプレゼント」がありました。
北海道産のメークインを先着100名様にプレゼントする、というものだったのですが、
実は私が大学のときにアルバイトしていた農家の木村さんから仕入れたもの。
函館から車で約1時間くらいのところにある厚沢部(あっさぶ)で、大学4年の夏休みに2ヶ月ほど
住み込みでアルバイトしていて、ジャガイモやニンジン、
トウモロコシなどの収穫や箱詰めなどの作業をお手伝いしていました。
今でも秋ごろになるとその年に収穫したジャガイモを送ってくれるので、
家族や友人、会社の同僚の方におすそ分けするのですが、そのおイモを食べて、
ねったいかんの植栽担当の方が、
「すごくおいしかったので、今年の芋と豆展でプレゼントしてはどうか?」と提案してくれたのです。
今年は木村さんが「なんとなしイモ」と呼ぶ、形が悪かったりして売り物にはちょっと・・・
でも捨てるのはもったいないジャガイモがたくさんあったとのお話を聞いていたので、
木村さんにお願いしてねったいかんへ送ってもらいました。
2Fの展示室でも販売させていただいているのですが、
大変好評で“イモリピーター”として来館して くださるお客様もいたほど!
ちなみに私の今日の朝ごはんは、木村さん家のジャガイモ入りのシチュー。
甘くてとってもおいしかったです。
形が悪いと言っても大して気にならないくらいのものだったのですが、
確かにスーパーで野菜を買うときには形や色のいいものを選んでしまっているなぁ・・・と振り返ってみたり。
ジャガイモプレゼントのために開館前から並んでくださったお客様もいて、
15分でジャガイモはすべてプレゼント終了。みなさま、ありがとうございました。
マサオさん、トシエさん、なっちゃんも、おいしいおイモをどうもありがとう!
まさか、こんなところで木村さんとのつながりが活かされるなんて自分でも驚きですが、とても嬉しかったです。
人とのつながりはイイモンだなぁ・・・と。
イモだけに・・・。
つまらないこと言ってないで、仕事に戻るとします。
マメに更新しないと・・・!
節分では数え切れない程の年の数の豆を食べ、2Fで販売中の「まさお豆」も食べ出したら止まらず・・・
あっという間に「芋と豆」の企画展も残すところ6日間となってしまいました・・・反省。
マメ科の植物は世界中に1万8千種もあり、古代ローマでは、ソラマメが主食だった時代もあったことや、ダイヤモンドのカラットはイナゴマメの種子(それぞれが均一の重さからといわれていますが、実際にはかなりのばらつきがある)に由来していることなど思い出しながら館内のマメ科の植物を紹介します。
ねったい館のマメ科の植物は、水族館へ降りる階段脇にペナン植物園から寄贈された、大きなネジレフサマメの板根の展示があり、ヒスイカズラをはじめタマリンド・インドシタン・カッシア・ カリアンドラオウゴチョウなどがあります 。
オオゴチョウ(今は咲いていません)
オオゴチョウの種子
ヒスイカズラ(今は咲いていません)
カリアンドラ(つぼみ)
今回は、現在咲いているデイコErythrina variegate var.orientalis を紹介します。
デイコにもいろいろな種類がありますが、斑入りのデイコが先に学名の登録がされたので、斑入り種が基本種となっています。デイコの栽培北限は奄美大島とされていて、歌でおなじみの“デイゴ”の呼び方は沖縄地方の呼び方といわれています。関東で屋外に栽培されている種類はほとんどがアメリカデイコです。ちなみにねったいかんでは、めずらしい白花デイコも咲いています。
デイゴ
白花デイゴ
白花デイゴの実
今や観葉植物として人気のエバーフレッシュにこんなきれいな実が着きました。 (現在は落下しています。)
エバーフレッシュの種子
寒い日がまだまだ続いておりますが、温室内では確実にヒスイカズラにつぼみがついてきています、一足早い春がやってきたねったいかんへぜひお出かけ下さいね。
チンアナゴの全貌 (ぜんぼう)
半月ほどご無沙汰してしまいました。
かぜやインフルエンザが 流行っているようですが、みなさまお元気ですか?
さて、2月12日にある生き物 たちが新たにやって来ました。水族館でもかなり人気のある、チンアナゴです。
砂の中から顔を出して、にょろにょろしているのがとってもかわいい魚です。
さてこのチンアナゴ、もちろんアナゴの仲間なので体は細長く、全長はなんと30~40cm。
ふだんは見ての通り、体のほとんどを砂の中にうもらせているので、全身はなかなか見ることができません・・・。
「チンアナゴの全身を見てみたい!」というお客様も多いため、
今回の搬入時に何とか写真に収めようとがんばってみました。
まず、魚たちはこんな風に厚手のビニール袋に入って水族館へやってきます。
水族館にやってきても、すぐに水槽に放すわけではありません。
水槽と袋の中の水とでは、 温度や水の状態(比重やペーハーなど)がちがうため、
少しずつ水槽の水に慣らせる「水合わせ」 という作業を行います。
・・・さぁ、そしてとうとうチンアナゴを水槽内へ放すときが!これがチンアナゴの全貌(ぜんぼう)です!!!
にょろにょろと泳いで、自分の新居となる穴を掘る場所を探します。いい場所が見つかったら、この通り。
シッポから、ぐいっぐいっぐいっと穴を掘っていくのです。だいたい5秒くらいですっぽり収まってしまいます。
15匹のチンアナゴを搬入したのですが、1人で水合わせをしてチンアナゴを放し、
バックヤードから表にダッシュして写真撮り。
上の3枚が今回一番うまく撮れたチンアナゴの穴掘り写真でした。
水族館に設置している解説シートにも近々これらの写真を載せようと思います。