春休み特別展タイトル決定選手権
初めに前置きしておきますが・・・今回は生きもののお話ではありません。
しかもそのわりに長文ですので、おひまなときにお読みください。
つい先日のこと、ねったいかんの事務所では 特別展タイトル決定選手権 が開催されました。
じつはこれはねったいかん初の試み。
今までは特別展担当者でタイトルを相談していたのですが、たくさんの人から意見を出してもらったほうが
より良いものになるはず。
「たくさんのお客様が見に来たくなる、楽しそうで魅力的なタイトルをみんなで考えよう!」ということで、
各自が思いついた案を持ち寄り、その後みんなで意見を出しあって、より良いタイトルに仕上げることになり
ました。
今回タイトルを決める特別展は、危険な生きものを展示する春休みの特別展。
その日に出勤していたスタッフみんなで仕事をしながら頭の片隅で考えること、約3時間。
館長、副館長をはじめ、植栽担当者や受付の方々からも意見をいただき、こんなにたくさん出ました!
王道路線なものから、おもしろタイトルまでなんと34個!
例えば・・・
・毒生きもの 第2章~地獄からの生還~ ←数年前に一度「毒の生きもの展」をやっているので。
・The DOKU展
・キ・ケ・ンな生きもの~怖い!でも見たい!~
・ねったいかん危険警報発令中!!!2F企画展示室がもっとも危ないエリアだ!!!
・危険だヨ!アブナイ生きもの大集合
・デンジャラスクリーチャーズ~危険な生きものの世界~
・飼育係もドキドキ!?アブナイ水族館
・危険!発見!ねったいかん
・命がけで展示中!!あぶない水族館
などなど。
いろいろ考えているうちに、思考というものはたまに思いもよらない方向へ・・・。
こんなおもしろタイトルも出てきました!
・キケンなアパート満室です。
・高島平の中心で“危険!”と叫ぶ ←ねったいかんは板橋区の高島平にあります。でも中心ではありません。
・さす!かぶれる!!しびれる!!!
・NDC25 ←ねったいかん(N)デンジャラス(D)クリーチャーズ(C)の略。
・わけあって毒あります。
・言いたいことも言えないこんな世の中じゃ、ポイズン!展 ←私と同世代の方ならわかるハズ!?
・危険地帯vs安全地帯
・しびれてます なう。
などなど・・・(笑)。
遊んでるわけじゃないんです!ちゃんと真剣に議論したんです!
さて、最終的にどんなタイトルになったのかは、始まってからのお楽しみ☆
企画展の各コーナーのタイトルとして登場するものもあるかも!?
3月9日から4月14日までねったいかんの2Fで開催しますので、ぜひドキドキしながら遊びに来てくださいネ!
そういう見方もあるのね。
昨年末から、ねったいかんで影ながら注目度を急上昇させている生きものがいます。
このお魚です。
イズカサゴというお魚です。
比較的地味というか、「カワイイ!」というタイプではないお魚。
じつはこのお魚、釣りの世界ではけっこうレアものらしく、深場での釣りでたまーに釣れるそうです。
そしてすごく美味しくて、すごく高いそうです!
「オニカサゴ」と呼ぶ方もいらっしゃるそう。
私は釣りについては経験がほとんどないため、イズカサゴには全く注目していなかったのですが、
イズカサゴがどうやってエサをねらい、食べるのか。その一連の動作はイズカサゴをねらう釣り人には
すごく興味のある対象だそうなのです。
そしてその一連の動きを撮影した動画というのがほとんどまだ出回っていない、とのこと。
そのことが判明したのは、とある釣り雑誌の記者の方がたまたまねったいかんに遊びに来てくださった土曜日。
土曜日にはちょうど15時から「エサの時間」があり、「なんと、イズカサゴの捕食シーンがこんなところで
見られるなんて!」とその方は驚かれたそうです。
エサの時間のあいだ、じっとイズカサゴを観察したものの、残念なことにその日はイズカサゴはエサを食べ
ませんでした・・。
何度も何度もその方はねったいかんに足を運んでくださり、じーっとイズカサゴを観察する日が続きました。
そしてとうとうイズカサゴが「パクッ!」とエサを食べる日が!
動画でしっかり撮影をすることができ、大変満足されて帰られました。
そして後日、ねったいかんのイズカサゴが釣り雑誌の記事に載りました。
さらにその雑誌のHPでもイズカサゴの捕食シーンが動画でアップされたのです!
それからというもの、「オニカサゴを釣りたい!」という方々がイズカサゴの捕食シーンを見るために
ちらほらとねったいかんに遊びに来てくれるようになりました。
いやはや、釣りに無頓着(むとんちゃく)な私には、イズカサゴがこれほど脚光を浴びる日が来るとは思いもよらず・・・。
勉強になりました。
タカアシガニといっしょの水槽にいますので、次回来る際は、「あー、この魚か!」とイズカサゴを注目して見て
みてくださいね。
バニラの香りでにっこり!
連日寒い日が続いておりますが、お元気ですか?
バニラがやっと色づき、発酵(はっこう)を始めました!とっても癒される香りです!
水族館から池の前の階段を上がったつきあたりに、バニラがヘゴにからまって回廊までのびている株があります。
そのバニラの下のほうに、色づき始めたバニラビーンズが1本ありますので、お顔を近づけて、ぜひ香りを体験してみてください!
色づき始めたバニラビーンズ
あるパフューマーの方が、「ねったいかんのバニラは、ことのほかいい香りがしますね」とほめてくださいました。
体験された方はどなたもにっこり!うっとり!こちらまでうれしくなってしまいます。
やはり、お子さんはとても香りに敏感で、近くにいるだけで、“アイスのにおいっ!” と元気よく答えてくれます。
今年は寒さが厳しく、バニラの蕾(つぼみ)もなかなかふくらんできませんでしたが、やっと、ちらほら蕾(つぼみ)を確認できる
ようになりました。
バニラはラン科植物にはめずらしく、つる性の植物で、とてもたくましい植物です。
コンクリートの垂直の柱も何のその!どんだけのびるの~!って感じです。
どんどんのびる!
ベラーメン(根被)の細胞層(さいぼうそう)に覆(おお)われた太い根は、巻きつくものがあれば
しっかりと巻きつき、巻きつくところがなければ、地面に到達するまで下に下にと垂直にたらします。
(ねったいかんでは5m以上にのびています。)
バニラは1日花で、温室の中にはポリネーター(受粉してくれる昆虫や小動物)がいないので、
早朝に受粉をしなければなりません。
バニラはとても受粉させにくく、バニラビーンズ1本が1000円近くにもなるのがわかる気がします。
昨年の不作や円安で今後も高騰(こうとう)が予想されます。
ねったいかんでも、毎年人工授粉を試みているのですが、うまくいく年、いかない年と様々です。
同じ方法で実施しているのですが、ここのところ、成功率が下がっているのが気になります。
花粉塊(かふんかい)と柱頭(ちゅうとう)との間の小嘴体(しょうしたい)という壁をおしのけないと、
受粉ができないのです。
受粉は大変!
効率的な受粉方法を発見したのは1820年代マダガスカル島に近い当時のフランス領ブルボン島(現在のレユニオン島)
のなんと12歳の奴隷だったエドモン・アルビウスでした。今でも世界中で彼の編み出した受粉方法で人工授粉が行われています。
受粉が上手くいき、サヤインゲンのような実ができ、香りがするようになるまで、なんと約1年かかります。
(市販されているものは特別な処理【キュアリング】を行い早く発酵させています。)
こんなにもみんなを笑顔にさせてくれる香りは他になにかある?
最近ではお菓子の香り付けのみならず、シャンプーや香水、化粧品にも使われるようになったとか・・・
バニラビーンズが落ちてしまうまでに、早く見に来てくださいね。 ( K 記 )
ねったいかんのいつも元気な困った草たち
今年は東京でも9センチもの雪が積もり、まさに冬本番といった感じですね。
らん・ラン・蘭展ではたくさんの方々にご来館いただき、ありがとうございました。
明日、29日からは 「早春の花展」 が始まります。
みなさまのご来館をお待ちしております!
冬本番でも当館は常夏!!とはいかないまでも常春!くらいにはなっていますよ。
冬でも暖かく楽しめるねったいかんなのです。
いつも暖かだと熱帯の植物たちも元気・・なのはいいのですが、あまり歓迎されない
植物たちもすくすく育ちます。
今回のこぼれ話は温室内に生え過ぎて困る、雑草についてです。
「雑草という名の草はない」とはあまりに有名な言葉ですが、ねったいかんにはびこる
歓迎されない雑草たちの正体を明らかにしちゃいましょう!
まずは第3位!
ちっちゃいオクラ?
カタバミ(Oxalis corniculata・カタバミ科)花言葉は「輝く心」です。いいですね。
葉はクローバーのようですが、違う仲間です。黄色い小さな可愛らしい花が咲きます。
花の後には上の写真にあるようにオクラを小さくしたようなサヤが実ります。このサヤに
さわると・・ぷちぷちはじけて小さな種が飛んでいきます。そうして次々と発芽します。
さらに厄介なことに宿根草なんです。しかも根が深く、抜きにくい。増えるわけです。
続いて第2位!
短いオニタビラコ
オニタビラコ(Youngja japonica・キク科)花言葉は「純愛」「仲間と一緒に」です。
こちらもなかなか素敵ですね。通常秋に発芽し、そのまま冬を越してよく春以降に枯れる
越年草(えつねんそう)です。ねったいかんでは暖地と同様に1年中花が咲いています。
上に花の写真がありますが、温室内の四季が外ほど明瞭でないためか花茎が伸びず、低い位置で咲いてしまっています。
ふわふわ綿毛のよう
こちらは種の冠毛(かんもう)の写真です。タンポポのようにふわふわ飛んで、着地した場所で発芽します。これで1年中咲いて
いるわけですから、増えるわけですね。
さて、堂々の第1位は!!
第一位!
ナガエコミカンソウ(Phyllanthus tenellus ・トウダイグサ科 )です!
花言葉は残念ながら分かりません。アフリカ原産の帰化植物で日本には1990年代に確認され、急速に広まっています。
よく見るとミカンに似た小さな実がついています。東京では冬が越せないため、1年草として扱われますが熱帯では
低木状(!)にまで大きくなるそうです。当然、温室内で放っておいたら大変なことに・・
しかも10センチにも満たない小苗まで結実しますから、繁殖力は半端ではありません。
大繁殖!
上記3種類のコラボレーションが見られることも・・
三役揃いぶみ!
普段、注目されることのないこれらの草たち。なるべくお客様の目に触れることの無いよう、植栽スタッフ一同、頑張ります! (M記)
ボルタン行方不明!?
最近、つぶやき話のアップ率が低下している・・・と反省しながら、本年2つ目のつぶやき話。
とある日のエサやりの時間、池水槽の生きものたちにごはんをあげようかなーと思っていたら、あれ?ボルタンがいない!!!
いつもの場所に・・・
いない!
あれ?あれれ?
いつもなら私の姿を見つけたら真下まで寄ってくるのにな・・・。
エサやりスポットからボルタンを探している間に、魚たちはエサを食べるモード全開になったので、とりあえずボルタン探しは
中断して魚たちにごはんを。
池の奥のほうに遊びに行ったのかなー・・・。
しばらくして水槽を見に行くと、いつものお気に入りの場所に帰ってきてました。
次の日、エサをあげようとしたらまたいない!朝はいたのに!
これはあとでちゃんと探さねば・・・と思いながらエサをあげていたときのこと。
石垣のすき間からこちらを見上げるボルタン発見!!!
いたー!!!
ボルタンのいたその場所はすこし“くぼみ”になっていて、どうやらその“くぼみ”がすごくお気に召した様子。
夜に寝るときなんかはいつもの場所にいるのですが、どうやら日中はそこの“くぼみ”にいることが多いみたい。
問題は、その場所がお客様からすごーーーーく見えにくいということ!!!
ボルタン!見えないよー!!!
・・・何とか対処しないとなー、と思っている今日この頃です。
ナイトジャングルツアーやってます!
*ナイトジャングルツアーは1月20日で終了いたしました。
12月から、開館中でも暗くなる季節を利用してナイトツアーを行っています。
懐中電灯を持って、暗い植物園を探検するイベントです。
(注:ガイドのつくツアーではありません。)
当初12月だけの企画でしたが、延長して1月20日まで行っています。
どんなイベントか、バーチャル体験してみましょう。
まず受付で懐中電灯をゲットしましょう!エコでかわいい懐中電灯を貸し出しています。
水族館をぬけて、この看板を見つけたらナイトツアースタートです。
館内は暗くなってます。普段と違う植物館はドキドキします!
館内の12か所にナイトツアー用のパネルがあるので、探してみましょう。
ちなみに、一つ目はムラサキモクワンジュという木です。昼に開いてる葉っぱが、夜には閉じています。植物も実は動くんですよ!!
植物以外にも、動物の足あとや写真が隠れています。
足あとに懐中電灯の光をゆっくり10秒以上照らしたあと、光を消すと・・・・光ります☆
12か所のパネル以外の植物も、あんなのやこんなの、面白い葉っぱが暗闇に隠れてますよ。
すでにナイトツアーに参加したことある人には上級編「サイチョウくんからの4つのミッション」もご用意してあります。
ナイトツアーは、1月20日までの限定イベントですので、ぜひおこし下さい。
( I 記)
2013年 明けましておめでとうございます
ごあいさつがちょっと遅くなってしまいましたが、新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、年末のつぶやき話で少しみなさまの期待をふくらませたワケですが、年末年始の休館中に展示替えをして、
いったいどうなったかというと・・・。
まず、去年展示してとても人気のあったこの生き物が帰ってきました!
ハナイカです。(ハナイカの展示は1月25日現在終了しております。)
色や生態がおもしろカワイイだけではなく、捕食シーンが衝撃的なんですね。
(詳しくは2012年7月10日のつぶやき話をご覧ください)
エサを食べるところを見たお客様の反応も上々です!
「おぉーーーっ!!!スゴイ!!!」
と感激される方多数です。
そして、新しく展示し始めたのはこの生き物。
まだなんだかよくわからないですよね。
拡大してみましょう。
クラゲです。カラージェリーフィッシュという、東南アジアのクラゲです。
フワフワ~と泳ぐ姿に、あー癒される~・・・。
こちらもお客様の反応が上々で、「カワイイ~!」「フワフワ!」といったお言葉を多数頂いております。
ハナイカ、カラージェリーともに期間限定の展示の予定ですので、見たい!という方はお早めにねったいかんへ。
2Fの展示室も華やかなランがたくさんで、とっても素敵ですよ。
「らん・ラン・蘭展2013」始まってます!
あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申しあげます。
スタッフ一同、楽しいねったいかんになるよう、頑張ります!
今年の元旦はとてもお天気もよく、おだやかな新年の幕開けとなりましたね。
みなさんはどんなお正月をおすごしでしたか?
ねったいかんでは28日から1日まで休館日となっておりましたが、植物や魚たちは年間を通して365日の管理を
行っていますので、当然休館日も出勤です。
大みそかも元旦も準備に追われていました。
そんな中、1月2日から「らん・ラン・蘭展2013」が開催中です。
今年は昨年の夏の暑さなどの影響で、ランの咲く時期が大幅にずれ込み、展示等が心配されましたが
いろいろな方のご協力のもと、無事開催にこぎつけました。
ラン展の中で今回特に注目していただきたいのは「切り絵と紋切り」です。
切り絵では、大きな門松の中にセロジネやファレノプシス・デンドロビュームにカトレヤ・・・・「火の鳥」のモデルともいわれている
ケツァールも飛んでいます。またベゴニアやシダ、ウツボカズラ、デイコ、オオタニワタリ、プルメリア・・・・などなど
また、紋切りでは、モンステラやパフィオペダルム、コチョウランなど植物もありますが、もう一つの図案の中には、魚やエビも
かくれています。ぜひみなさんで見つけてください。
また、書初めコーナーもあり、今年の目標をみなさんに書いていただいています。
ちなみに私の今年の目標は「人にも植物にも優しく上品でありたい・・・」です。
8日には新しいランも入荷します。お楽しみに! K記
ナイトツアー延長 & 上級編の追加
12月に行ったナイトツアーを1月も延長することとなりました。(1月20日まで)
さらに、すでにナイトツアーに参加された方のため、上級編も追加しています。
ナイトツアー
懐中電灯を持って暗い植物館を探検するイベントです。光る足あとなどもありますよ!
ナイトツアー上級編
暗い植物館の中で、ねったいかんキャラクターのサイチョウくんが出す4つのミッションをクリアーしよう!
2012年大晦日。
今日は2012年12月31日。
2012年も今日でおしまいですね。
みなさま年末、いかがおすごしでしょうか?
現在ねったいかんも、年末年始の休館中。
ねったいかんスタッフもお休みなのかというと・・・。
毎日お仕事しています!!!
水族館担当の私は、展示変更作業を毎日毎日やっております。
人気のあったあの生きものが帰ってきたり、新しくあんな生きものがやってきたり。
年始にねったいかんにいらっしゃると、少し変わっていると思いますのでお楽しみに。
新年は2日から開館いたします。
2日と3日は「お年玉抽選会」も!!!
(現金は当たりませんのであしからず・・・)
ねったいかんに遊びに来ていただいたり、つぶやき話を読んでくださったり、今年も色々とありがとうございました!!!
なかなか楽しい、実のある1年でした。
来年も頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それではよいお年を~。