水族館担当のワタクシですが・・・。

もうあっという間に10月の終わり。
最近ほんとうにあっ!という間に日々が過ぎていきます。
なぜかというと、11月3日から始まる「里山の生きもの展」の準備に追われているから。
じつは、この里山の生きもの展に向けて、8月からずーーーっと準備しているものが。
コレです。
何だかわかりますか?
稲です。
稲を育てているんです。
「里山」と言えば、やっぱり田んぼのようなものを再現して、そこに生きものを泳がせたいと思い、水族館担当者ですが
今は稲を育てているワケです。
バケツを使っての稲栽培。
私も初めての経験なので、わからないことばかり。
はじめはこんなに小さな稲でしたが、今のところ、なんとか順調に成長している・・・のかな?
無事「里山の生きもの展」で活躍してくれることを祈って、特別展の準備を進めていきたいと思います。

水族館担当スタッフのつぶやき話 | 更新日:2012.10.27

素通りなんかさせないゼ!!(第1回)

ねったいかんには様々な植物がありますが、どうしてもきれいな花や、おいしそうな実に注目しがちですよね。
でも中には地味かも知れませんが、「これは!」という植物が結構あります。
言い換えると「玄人好みの植物」ということになるでしょうか。
そんなちょっと渋くて愛らしい子たちを不定期に紹介していきたいと思います。
第1回目は「ディノクロア・スカンデンス」(Dinochloa scandens)です。
イネ科の竹の仲間で、分布はマレーシア・ベトナム・フィリピン・オーストラリアです。
それでは、地下の水族館から階段を上がり温室へ。正面の壁を見上げてみましょう。
   
そうなんです。竹は竹でもつる性の竹なんです。ジグザグに伸びながらまわりに生えている樹木にからまって登ります。
ふつう、竹類の多くは竹の子が伸びきって生長が止まると、それ以上高くはならないのですが、ディノクロアは違います。
どんどん伸びます。ねったいかんでは屋上付近の窓にまで達しています。
  
え?そんなの竹じゃないって?ところが…
ちゃんと竹の子が生えるんです。確かに竹ですよね。
日本で一般的に見られるモウソウチク(Phyllostachys pubescens)は3~5月に竹の子が生えますが、
ディノクロアは10月に入ってから生えてきました。残念ながら食べておいしい!と聞いたことはありません…。
また写真のように竹の子が親株のすぐ近くから生えてきます。他の竹類にありがちな根が遠くまで伸びていって、
お隣の庭に生えちゃった!という心配もありません。
海外では造園的にも利用され、アーチを作るのに用いたりしています。
あなたのお庭にも是非!と言いたいところですが、寒さに弱いため日本では沖縄あたりまで南下しないと、もたないと思われます。
ねったいかんならいつでもご覧いただけます。ぜひ、ご自身の目でお確かめください。 (M記)

植物担当スタッフのこぼれ話 | 更新日:2012.10.24

ちゃんと見えてるヨ。

前回のつぶやき話に続き、今回も潜水中に水中カメラで撮影した写真をご紹介。
よく、お客様が水槽の魚やカメをみながら
「こっち見えてるのかなー?」
とおっしゃっていることがあります。
答えを先に言ってしまうと、ちゃーんと見えてますヨ!!!
(全ての水族館の全ての水槽において、という訳ではないのですが・・・)
ねったいかんのチンアナゴの水槽と、ヒマンチュラ・チャオプラヤのいる池水槽の中から撮った写真をご紹介しましょう。
チンアナゴの水槽の中から撮った写真がこちら。
向かい側にある水草の水槽もくっきり、少し離れたところにあるサンゴの水槽や消火栓もくっきり!
池水槽の中から撮ったものがこちら。
みなさまがよく座ってらっしゃるベンチも、向かいにあるムツアシガメのおうちも、そして作業中の植栽スタッフのMさんの姿も
よーく見えているのがわかるかと思います。
水槽の中の生き物たちから、皆さんの姿もちゃんと見えてるんですよ。
池水槽のボルネオカワガメのボルタンは、水槽の中からこちらをじーっと覗きこんでくることがありますので、その際はぜひ
ボルタンのつぶらな瞳を見つめかえしてあげてくださいね。
ボルタンと言葉は交わせなくとも、心と心は通じ合うかも!?

水族館担当スタッフのつぶやき話 | 更新日:2012.10.16

ゴムの木と熱帯林の問題

今回はゴムノキのお話をします。
名前から想像できるようにゴムの原料となる木です。
先日、インドゴムノキとパラゴムノキの剪定(せんてい:枝を切ること)をしました。温室内の狭い空間では、剪定をおこたると
他の木とぶつかってしまったり、下の植物に光が届かなくなってしまいます。
剪定前の写真は暗いですね。下の草が深い緑色をしていることから、光が届いてないことがわかります。
そこで剪定が必要となります。
剪定後がこちらです。下まで届いた光が下草に反射して白く見えます。
剪定中、枝を切ると、白いねっとりした汁が出てきました。この白い液体を乳液といいます。ゴムの原料となるのは、
この乳液です。
ところで、インドゴムノキとパラゴムノキ、両方ともゴムの原料として使われているのかというと、そうではありません。
パラゴムノキの乳液のほうがゴムの原料として質がよく、今ではほぼこちらが使われています。
東南アジアの各地では熱帯林が切り開かれ、ブラジル原産のパラゴムノキ畑が広がっています(プランテーション農業)。
近年では石油からつくる合成ゴムもたくさん生産されるようになりましたが、ゴムノキからつくる天然ゴムの生産量はいまだに
増加傾向だそうです。
また、パラゴムノキよりももっと収益のあがる、アブラヤシに変換する農場も増えていますが、どちらにせよ、もともと熱帯林だった場所を切り開いたプランテーション農業です。
東南アジアの人々の生活にとっては、ゴムノキやアブラヤシの栽培は大きな糧となります。しかし、そのために多くの生物が
すむ熱帯林が破壊されてしまうのは大きな問題です。
これは東南アジアだけの問題ではなく、ゴム消費大国である日本の私達も考えなければいけない問題ですね。
ちなみに、天然ゴム製品は自動車のタイヤやチューブ、手袋、粘着テープなどさまざまなところで使われています。
これらの製品の無駄使いをなくしたり、環境に配慮した製品を選ぶようにしたいですね。
こぼれ話を書きながら、ラベル等を見ずについつい安いものを選びがちな自分を反省しました。
話は戻ってねったいかんのゴムノキですが、今ではもう新芽が伸びてきています。
赤い苞(ほう)で新芽を包むのはインドゴムノキです。キレイですね。
パラゴムノキは、赤っぽい新芽がうつむいて下にたれさがっています。
寒くなると新芽は見られないので、この様子が見られるのは秋までの季節限定ですよ!
( I記)

植物担当スタッフのこぼれ話 | 更新日:2012.10.11

これなーんだ???

ちょっとご無沙汰しておりました。
もうすっかり秋らしくなりましたね。
さて、少し前のつぶやき話で休館日のビルマムツアシガメのお散歩について書きましたが、今回も休館日ネタで
行きたいと思います。
休館日には、たまに水槽に潜って水槽のお掃除をすることがあります。
その時に防水のカメラを持って水槽に潜り、とある写真を撮ってきました。
さて、これなぁーんだ???
矢印と丸印で指してあるまぁるい穴。
ヒントは、ねったいかんでも3本指に入るくらい人気のある魚に関係があります。
つぶやき話の主人公にもなったことのある魚です。
それでは、正解を発表しましょう!
答えはこれ!
チンアナゴのすんでる穴を上から撮った写真でした!!!
体の大きな私が急に水槽にどぼーん!と入ってきたので、みんな一気に自分の巣穴に隠れてしまったところをパシャリ!
と撮りました。
チンアナゴたち、びっくりさせちゃってゴメンネ!!!

水族館担当スタッフのつぶやき話 | 更新日:2012.10.08

ねったいかんのオリジナル

ねったいかんで展示している物の中には、オリジナルのものがたくさんあります。
器用なスタッフやスタッフの家族まで巻き込んでいろいろ手作りしています。
不器用な私が紹介するのもナンですが、少しだけ紹介したいと思います。
みなさんのお宅の「緑のカーテン」。今年の出来栄えはいかがでしたか?
春の企画展に登場した「ゴーヤーちゃんたち」。
「こんなぬいぐるみが展示に欲しいんだけど・・・」からできあがったごーチャン・やーチャン。男の子と女の子です。
つるの中にはなんとビニタイが入っています。
一番大変だったのは緑色の生地をみつけること。確かにこんなグリーンの洋服着ている人いないですよね。
次に紹介するのは「水でっぽう」
夏休み期間から9月の下旬まで、暑い時期にバンダの水やり体験。大人の方にも
楽しんでいただきました。
竹を用意し、中の棒にスポンジを巻き、その上に布をかぶせ、ひもできっちり結わえる。この一連の作業の調節が大変でした。
1号から5号まであったのですが、何度も使用するうちに、しゅっぽん!の音が鈍くなったり、逆に漏れるものありでごめんなさい
でしたが、来年はもっと良いものができるように頑張ります。
最後は屋根の修理です。
温室内にあるマレーハウスの屋根は何でできているかご存知ですか?そうニッパヤシの葉です。温室内は結露(けつろ)が
発生しやすく、みなさんも頭にポッタンと水滴が落ちてきてビックリされた経験がおありだと思います。
マレーハウスの屋根の同じ場所にいつも水滴が落ちてきて、屋根に穴が何ヶ所も開いてしまっていました。雨漏りのするあばら家をなんとかしなければ・・・・。
器用なスタッフが、剪定(せんてい)したり、枯れたヤシの葉を水につけて柔らかくし、糸代わりに違うヤシを使ったりして、
すっかりきれいに仕上げました!ねったい館にお越しの際はぜひマレーハウスの屋根を見てくださいね。

植物担当スタッフのこぼれ話 | 更新日:2012.10.06
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