自然再生
大径木移植や表土ブロック移植工法などの新工法を活用し、身近な緑地空間から森林環境まで、様々な「みどり空間」の保全・創出・再生をトータル的にサポートします。
概要
みどり空間の保全・創出・再生イメージ
- 生物ろ過による水質浄化
- 池や流れにより水辺のエコトーン(移行帯)を創出
- 花木による都市部への景観提供
- 剪定などによる日照と風通しの確保
- 組合せ植栽技法による自然な林の創出
- 生き物の生育環境の創出とモニタリングによる管理手法の改善
- 日照の確保による草花の下層生育
- 萌芽更新(根株工法)による森の若返り、多齢林の育成
- チップ敷による生態系の早期育成
- 有機系土壌改良
- 落葉他生態土壌の維持(森のお引越し技術の導入)
エコロジカル・ランドスケープ・パートナーズ
(ELP:Ecological Landscape Partners)
みどり・かえるは、自然環境の保全や創出、再生に対し高い志を持った技術者集団、エコロジカル・ランドスケープ・パートナーズの総合力によって運営します。
- 西武造園株式会社
- 株式会社グラック
- 新和重機株式会社
- 株式会社地域環境計画
- 株式会社大祐
- 下田園芸
特徴
さまざまな場所で、みどりの景観・自然環境をバックアップし、甦らせます。
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みどりが失われた場所
開発によりみどりが少なくなってしまった場所
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みどりが荒廃している場所
放置された里山・植林地、放棄された農地
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みどりが危機的な場所
事業の実施により既存のみどりが失われる場所
移植などの代償措置(ミティゲーション)が必要な場所 -
みどりが新たに求められる場所
埋立地、人工地盤、都心の再開発地、市街地の再開発地
サービスフロー
さまざまな場所で、みどりの景観・自然環境をバックアップし、甦らせます。
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みどりの通訳(調査・計画)
地域の景観・自然環境の特性を見抜く動物調査、植物調査、土壌調査や、施工条件調査(運搬、地形)などを行い、その結果を評価・分析します。また、モニタリング結果をもとに管理計画を策定し、維持管理に反映させます。
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みどりの処方(設計・施工)
地域の植物、表土、土壌シードバンクを最大限に活用伝統的な造園工法をはじめとして、表土ブロック移植、表土移植、根株移植、重機移植、大径木移植(立曳き)などの工法から計画地にあった工法を選択して、みどり資源を最大限の有効利用します。
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みどりのサプリメント
(地域性種苗などの生産・供給)地域の遺伝子資源を守る播種や挿し木によって約2000種の植物を生産してきた経験を活かし、計画地で採取した種子、母樹などから苗木を生産し、供給します。生物多様性の観点から遺伝子の攪乱を防ぎます。また、表土中のシードバンクを活用して地域固有のみどりを復元します。
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みどりの手入れ(管理・モニタリング)
データベースを活用して効率的に管理私たちが予想し得ない自然現象に対応し、順応的にみどりを管理します。また、図面統合型の管理台帳データベースを作成することで、管理コストを抑え、管理履歴などの情報も一元的に管理します。
森のお引越し 登録商標(登録 第4690762号)
「みどり・かえる」による自然再生サポートサービスの一環として、森の早期復元「森のお引越し」があります。単なる樹木の移植ではなく、大径木移植技術や表土ブロック移植工法等の新工法と、従来の移植工法を効率的に組み合わせることで、植物をはじめとして土壌に生息する微生物や小動物、種子などを丸ごと移設することができ、森の早期復元を可能にします。
- 従来移植工法
- 樹木の周囲を掘り取り、 縄と菰を使って根巻します。
- 1)表土ブロック移植工法
- 2)根株移植工法
- 移植の時に地上部を切り取り、切株の状態で植え込みます。萌芽した芽から株立状の樹木が生育します。
- 3)幹の挿し木工法
- 4)自生種実生苗
- 計画地で採取した種子を育成した上で、現場に植栽します。
- 5)高木重機移植
各工法のご紹介
1)表土ブロック移植工法 特許:第3468756号、第5008085号/NETIS:登録No.KT-050021-V
表土ブロック移植工法は、専用のバケットを使用して既存植生を表土と共にブロック状に切り取って採取し、移植する工法です。クレーンを使うことによって法面を傷めることなく、また樹木を植栽した場所でも設置できる点が特長です。また、ブロック状に土壌を採取することで土壌内の生態系を崩すことなく移植し、地域の自然の早期回復が可能となります。
表土を採取したコンテナ
※標準規格
厚さについては事前調査の上、既存植生の根の状況等により決定
施工フロー
- 根切
スコップまたは専用アタッチメントによる根切
- 採取
表土ブロック移植重機による表土ブロックの採取
- 積込み・運搬
クレーンによる積込み、キャリアダンプ・トラック等による運搬
- 定着
クレーンによる表土ブロックの定着、外枠コンテナの引抜き、内枠コンテナの吊り上げ
- 間詰め
ブロック間の間詰め
- 養生
樹木を根株として表土ブロックを採取
重機に装着したコンテナに収納し運搬
コンテナから滑り下ろすように定置
2)根株移植工法
樹形不良などの樹木を地際から30~50cmのところで切断して根株を移植します。根株からの萌芽を期待した工法です。
根株移植(ヤマザクラ)
根株植栽の方法
3)幹の挿し木工法
既存樹木の幹を利用して挿し木を行うものです。幹部に養分が蓄えられた時期が幹挿しの適期で、高温・乾燥の夏期と厳冬期までに十分な発根期間が必要です。
挿し穂の処理
幹の挿し木により発芽するリョウブ
4)自生種実生苗
地域で採取した種子から苗木を育成し、対象地に植栽します。
5)高木重機移植
専用の重機によって、根鉢を直接つかみながら移動・植付けを行う移植技術です。樹木の掘り取り、運搬、植付けを短期間に行ない、移植前の樹形を保ったまま動かすことが可能な工法で、大径木の移植に有効です。新たな景観に既存樹の美しい姿を移していくことができます。