
エンドユーザーの声を聞きながら
街づくりにも関われる
複合施設の常駐型維持管理
東日本統括支店 みどり環境部
維持管理課・担当課長
2020年入社/経験者採用
東京YWCA専門学校ケアワークコース卒業。卒業後、介護士の仕事をするなかで、園芸クラブの担当となったことをきっかけに、植物を育て、四季の変化とともに働く楽しさを知り、異業種への転職を決意。都市公園の管理・運営などの業務や、商業施設にある屋上庭園の植栽維持管理業務などに携わったのち、2020年に西武造園に経験者採用で入社。現在は東京ガーデンテラス紀尾井町の植栽維持管理や、ビオトープでの協働活動、植物に関するイベントの運営なども担当。
自分を植物に例えると…ドクダミ

日陰でも元気に育ち、根っこが刺激を受けると倍増する生命力の強さが自分のイメージに重なります。強い香りを敬遠されることもありますが、薬草にもお茶にもなる植物です。また、八重ドクダミの花は可愛らしく、ガーデンのコンセプトによっては重宝されることもあるので、適材適所という意味で似ていると思います。
西武造園への入社の決め手
西武造園の元社員である知り合いに紹介してもらったのがきっかけでした。前職でも担当していた植物管理の経験を生かし、関東近郊で植物を扱う業務に携わりたかったので、維持管理課を希望しました。入社後は希望通りの部署に配属され、大規模な植栽維持管理の業務に関われています。特に、現在担当している東京ガーデンテラス紀尾井町は、都心にありながらもローズガーデンやナチュラリスティックガーデン※、ビオトープなど多様なみどりの環境を備えているので、非常にやりがいを感じています。
※花が咲いているときだけでなく、四季の変化や景観を自然のままの美しさで楽しめるガーデン
現在担当している業務
オフィス、ホテル、住宅、商業施設等からなる大型複合施設「東京ガーデンテラス紀尾井町」にて、常駐型で植物の維持管理業務を行っています。赤坂プリンス クラシックハウスのローズガーデンをはじめ、施設内には四季折々の花を楽しめる花壇や、2023年春にリニューアルしたナチュラリスティックガーデン、近隣の教育機関などと協働してヘイケボタルの生息環境を守る活動を行うビオトープなど、敷地内にはさまざまな植栽があり、これを日々きめ細やかに管理するのが主な業務です。植物を扱う作業だけでなく、予算管理や協力企業さまとの連絡調整、発注者さまのご要望をお伺いして対応するなど、維持管理業務と一口に言っても、日々多くの業務があります。バラの見頃の時期など、イベントがある際にはデザインから発注、植え込み作業、運搬、レイアウトなど、協力企業の方々とともに空間を造り上げることもあります。
また、2023年は都立代々木公園で開催されたガーデンコンテスト「第1回 東京パークガーデンアワード」で、社内メンバーと一緒に、西武造園の出展作品の管理に携わる機会もありました。普段なかなか関わることのない他部署の方とも一緒に作業するなど、貴重な経験となりました。

ある1日の流れ
担当している業務の魅力

現場での維持管理業務の醍醐味は、エンドユーザーの声をダイレクトに聞けること。「バラのまち紀尾井町」としてブランディングしている東京ガーデンテラス紀尾井町ですが、2024年に開業9年目を迎えて認知度も増し、バラの季節には多くのお客さまに訪れていただき、やりがいにつながっています。環境省の自然共生サイトに認定された「光の森」のビオトープに訪れる方も増えており、都心部の自然保護活動に関われることに魅力を感じています。
花壇管理に関しては、決まった植物だけでなく新品種や少し変わった品種なども取り入れ、お客さまの声を参考にしながら試行錯誤して、毎年同じ内容で固定しないよう考えています。気候や環境に左右されるため、花がきれいに咲き続けることもあれば、思ったように咲かないこともありますが、一つひとつの経験が自分に蓄積されていく実感があります。
また、オフィス、ホテル、住宅、商業施設など多様な施設が一体となっており、緑地管理だけではなくイベント運営などにも関われる機会がある点が他の現場とは異なる特徴で、面白いと思います。
業務をする上で大切にしていること

情報の共有、共通認識の確認、疑問点や不明点の解消など、常にコミュニケーションをとることが大切です。発注者さまや、実際に施設にお越しになるお客さまはもちろん、協力企業の方々、一緒に作業を行うパートスタッフの皆さんや、営業部など他部署のメンバーなど、立場や会社を超えて、業務で接する人たちと同じ目線に立って考えることも重要だと感じています。
特に、東京ガーデンテラス紀尾井町では、西武グループの他企業の方と関わったり、バラの専門家の方や、近隣の教育機関の学生の皆さんと協働したり、関係団体の方と一緒にイベントを行う機会も多くあります。夏と冬には、約2ヶ月間イルミネーションが設置されるため、その設営工事の日程を関係者同士で事前に共有・把握しておき、植物管理の作業日を細かく調整したりもします。こうした、関係者や協力企業の方との連携が欠かせない業務のなかで、相手の要望や意見をよく聞いて、当社として出来ることをご提案していくようにしています。
また、維持管理課では複数の施設を巡回管理することも多く、同じ部署のメンバーであっても一緒に業務をする場面が少ないです。なので、社内の定例会議や研修等の機会には、なるべく多くの方とコミュニケーションをとるように意識しています。
これからやっていきたいこと

施設全体でのキャンペーンやイベントなど、スケジュールを踏まえた適切な工程管理に努めたいです。バラの見頃の季節など、「このタイミングで植物を最も美しく見せる!」というポイントを考えて、さまざまな作業の予定を組み立てていきます。関係各所とのこまめな連絡や情報共有、日程調整なども行いながら、訪れる方々が安心して、快適に過ごしていただける空間づくりに貢献していきたいです。また、近隣の中学校に通う生徒の方々と協働で、五感を刺激するようなプログラムを企画したり、オフィスワーカーの方にも都心のみどりをもっと身近に感じてもらえるような自然観察会やガイドツアーをもっと実施していきたいです。
社内メンバーと一緒に取り組んだ「第1回 東京パークガーデンアワード」は、四季を通じて半年以上の期間をかけて審査されるコンテストでした。少ない回数で効率的に植物を管理するローメンテナンスなガーデンがテーマです。植物を植えた後の状態確認や潅水対策、手直しなど、できるだけ長く景観を維持していくための工夫を凝らしました。また、植物の維持管理で発生した刈りクズなどの発生材や枯れ草を再利用したり、自然素材でできたバイオネストを活用するなど、花壇の中で資源が循環していくような管理にも取り組みました。近年の植物管理では酷暑や大雨、乾燥や害虫への対応など、気候変動への対策も考えていかなければなりませんので、こうした経験を今後も活かしていきたいと思います。