資源循環
地域協働

高架下で雨水循環利用を取り入れた事例が環境大臣賞を受賞しました

2025.11.14

西武緑化管理は、西武造園の地域戦略子会社として西武鉄道沿線地域を中心に造園事業を展開しています。

この西武緑化管理が施工・維持管理を行う「石神井公園駅~大泉学園駅間の高架下広場」が、第24回「緑化技術コンクール」の緑化施設部門で環境大臣賞を受賞しました!

この施設は、西武鉄道の高架下の空間に2024年7月にオープンした広場で、西武鉄道が所有し、西武不動産が開発・運営を行っています。

 

元々はフェンスで囲われていた未利用地でしたが、地域の皆さまと“使ってみよう”、“遊んでみよう”というコンセプトのもとに、2022年3月から「PLAY!高架下」と題して、イベントなど地域に根差した様々な活動が行われてきました。

過去には、西武造園グループのアウトドア事業会社「ステップアウト」なども参画しています!

※過去のイベントでのステップアウトによる体験プログラムの様子

 

このスペースをさらに「地域に開かれた場所」へ発展させるため、地域の活動を支える場として整備するプロジェクトが2023年からスタート。高架下という空間に注目し、光・風・水の資源を活用し、都市の新しい緑化空間をつくるチャレンジとなりました。

 

緑化技術コンクールでも高く評価された「雨水循環利用へのチャレンジ」
この広場の植栽には、西武鉄道の高架橋で集水した「雨水」が活用されています。「高架上で降った雨を使って、高架下で雨が当たらない場所で植物を育てる」というコンセプトを形にする段階で、西武緑化管理のスタッフが関係者と協議や検討を重ねながら、どんな技術でそれを実現し、どんな手法で“見える化”するかに注力しました。

過去に担当した施工物件などでのノウハウやアイディアも活用し、雨水活用の仕組みが完成しています。

また、この広場では、高架下という太陽や雨にあたりにくい場所で「都市を緑豊かに変えていく」ビジョンを発信するため、さまざまな植物を実験的に植栽しています。
中には、インドアグリーンで選ばれるような植物や、公園などではあまり見かけない珍しい植物も。
オープンから1年経過した今も、四季の気候条件などを踏まえながら、西武緑化管理のスタッフが定期的に巡回し、この場所に適した植物管理の試行錯誤を続けています。

これから先の植物の生育状況なども、ぜひ注目していただきたいポイントです。

 

(写真左から:ストレリチア、シュロチクとカポック/いずれも地植えは珍しい植物です。)

この他にも、2020年に閉園した遊園地「としまえん」の伐採木であるヒマラヤ杉などを再利用したベンチや、ベルーナドームで廃棄される予定だった人工芝を再利用した什器なども使われています。柱下には、廃棄される鉄道線路のバラスト(砂利)を再利用することで、電車が通過する際の振動も軽減につなげています。

こうした発想やチャレンジ、地域の方々との取り組みが評価され、今回の「緑化技術コンクール」での受賞につながりました。

現在は、「PLAY!高架下」のイベントだけでなく、このスペースを使いたい方々への貸し出しや、地域の皆さんと共に植物に触れる楽しみを体験していただくための「PLAY!GREEN」が実施されるなど、さらに活動の輪が広がっています。

夜間も照明で美しくライトアップされ、植物の葉の影にまでこだわった空間となっていますのでぜひご覧ください。

 

気候変動による夏の高温化なども進むなか、西武造園グループとしての緑化技術や工法のノウハウを発揮し、今後も脱炭素社会・資源循環型社会の実現に貢献していきます。