ピンポンじゃないよ、ピンポーだよ。

今回は当館にもあるピンポンノキについてお話ししたいと思います。

ピンポンノキ(Sterculia monospermaは中国南部原産のアオイ科の常緑高木でありピンポンノキ属は熱帯アジアを中心に100~200種が分布します。




ねったいかん2018年開花



ねったいかん2018年結実



属名のSterculiaはローマ神話に出てくるトイレの神様Sterculiusに由来しており、
ラテン語でStercusは糞(ふん)を意味します。


ピンポンノキ属の中にハエなどに受粉を助けてもらうためにうんちみたいな臭いを放つ花を咲かせる種類があることからこの属名がつけられたようです。


うんちのにおい、、、うんち、うんちかぁ、、
ねったいかんのピンポンノキは臭うのかな?
嗅いでみたいような嗅いでみたくないような、ちょっと複雑な気持ちになりますね。


因みに和名のピンポンノキの由来ですが、

ピンポンノキの種がピンポン球っぽいのでは?とか
昔ピンポン球の代わりに使っていた、、、?
もしやラケットの材料がピンポンノキ???

などと疑っていた皆様、残念ながら卓球とは全く関係ありません。


中国名の「頻姿(ピンポー)」が訛って英名のPingpongになり、そこからピンポンノキという和名になったようです。


これは以前私が台湾とマレーシアに行ったときの写真ですが、台湾では「鳳眼果」の名でも売られており、この実を茹でて食べると栗のような味で美味しいそうです。






台湾




マレーシア


鳳凰とは中国の神話にでてくる伝説の鳥、霊鳥であり、一万円札にも描かれています。
鳳凰(ほうおう)の眼とは上手く言ったもので、まさにぴったりの名前ですね!

沢山の眼がこちらを見ているようでちょっとびっくりしますが、機会があったら是非食べてみたいですね!


O記

植物担当スタッフのこぼれ話 | 更新日:2020.05.22

おうちでねったいかんさんぽ

5月に入り、蒸し暑い日も多くなってきましたね。
ねったいかんの生き物たちにとっては過ごしやすい季節になってきました。


今、ねったいかんでは色とりどりの花々が咲き乱れています。
おうちにいるみなさんに少しでもねったいかんに来た気分を味わっていただけるよう、
今日は植物の見ごろを順路に沿ってご案内していきたいと思います!


それではまずはねったいかんの入り口に向かいましょう。
色とりどりのバラが出迎えてくれます。




バラ(Rosa




さあ、どこへいきましょう?
まずはやっぱりバニラですかね。






バニラ(Vanilla planifolia


こんなぴったりなタイミングで来れるなんてとてもラッキーですよ!
甘い匂いがするのかと思いきや匂いがするのは実が茶色くなってからなんですね。
実がなったらまたお知らせしますね!



マングローブ帯を左手に見ながら園路を進んで行くと、右手にゲットウが咲いています!
お水をやったばかりなのでしょうか?瑞々しくてきれいですね。






ゲットウ(Alpinia zerumbet



坂を上り滝の下のトンネルをくぐると、、、
あ、エピスキア‘アカジョウ’が咲いています!
銀色の葉っぱに小さくて真っ赤なお花がかわいいですね♪





エピスキア‘アカジョウ(’Episcia cupreata ‘Acajou’



ムッチャンに挨拶をして更に進んで行くとハイビスカスが咲いています。





(ムッちゃん)



ねったいかんには沢山の種類のハイビスカスがあるんですよ!きれいですね~。





ハイビスカス(Hibiscus rosa-sinensis)




では、橋を渡って行きましょう。
ビヨウタコノキの実が沢山実ってます!大きくて迫力がありますね♪





ビヨウタコノキ(Pandanus utills)



更に進んで行くと、



!!!




あれ?ヒスイカズラが咲いていますよ!
ヒスイ色のお花が宝石のようですね♪





ヒスイカズラ(Strongylodon macrobotrys)



では、今度はマレーハウスコースに行ってみましょう!
バナナコーナーの近くでテイキンザクラが咲いています。
濃いピンクのお花がかわいいですね。花の形がまるでサクラのようです。





テイキンザクラ(Jatropha integerrima)



あ!上のほうにコブミカンの実を発見しました!


ごつごつしてて面白い形ですね。
葉はタイ料理のトムヤムクンにも使われるそうです。




コブミカン(Citrus hystrix)



今度は冷室に行ってみましょう。

ここはボルネオにあるキナバル山の1700~2500m付近を再現しています。どおりでちょっと涼しいはずですね。

ミストがでていてまるで雲霧林に来たみたいですね。気持ちいい。
メディニラ マグニフィカもたくさん花を付けてます。華やかな花ですね!





メディニラ マグニフィカ(Medinilla magnifica)



ガルデニアシャクナゲも咲いています。
大きな花ですね!クリーム色が上品で、クチナシのような甘い匂いがします。





ガルデニアシャクナゲ(Rhododendron gardenia)




青い実を見つけましたよ!
キキョウランの実ですね。こんな色の実が自然界にあるなんて不思議ですね。




キキョウラン(Dianella ensifolia)


ココナッツのような甘い匂いがします。
どこから匂いがするのでしょうか?

喫茶室クレアの入り口の近くでマキシラリア テヌイフォリアが咲いています。
こんなところにあったんですね。匂いがなければうっかり通り過ぎるところでした。





マキシラリア テヌイフォリア(Maxillaria tenuifolia)


喫茶室クレアを通り過ぎると、最後は回廊に出ます。
プルメリアが咲き始めましたね。
回廊がプルメリアの花で埋め尽くされるのも、もうすぐです。





プルメリア(Plumeria)



一通りねったいかんの見ごろの植物たちをご紹介してきましたが、楽しんで頂けましたでしょうか?
今日は絶好のお散歩日和でしたね!

植物たちも久しぶりに皆さんにお会いできて心なしかなんだか嬉しそうでした!
開館した折にはぜひ見ごろを迎えた植物たちを見に来て下さい!


スタッフ一同首を長くしてお待ちしております。


ねったいかんのfacebookページでは、温室内の植物の様子を、休館中毎日更新しています。
是非ご覧ください。

植物担当スタッフのこぼれ話 | 更新日:2020.05.15

ねったいかんの絞め殺しの木

こんにちは!
皆さん、『絞め殺しの木』と呼ばれる樹木を知っていますか?

今日は絞め殺しの木と呼ばれるガジュマルについて現地の写真を交えてお話ししていきたいと思います。


こちらねったいかんのガジュマル ↓

ガジュマル(Ficus microcarpa


ガジュマルはクワ科イチジク属の常緑高木です。


皆さんはカンボジアのアンコールワットの遺跡を侵食している写真を見たことがありますか?
朽ちていく遺跡と力強く生きるガジュマルの対比が生命力の強さを感じさせますね!


沖縄ではガジュマルは「幸福をもたらす精霊が住んでいる」と呼ばれ、ガジュマルの古木にはキジムナーという精霊が住んでいると言われています。ねったいかんのガジュマルにも精霊が住んでいるのかな?
いつか会えたらいいですね!


こちらはねったいかんのものではありませんが、
私が以前旅行に行った時の写真をご紹介したいと思います ↓
力強い姿をご覧ください^^*










絞め殺し植物の一種

植物担当スタッフのこぼれ話 | 更新日:2020.05.04

ヒスイカズラが咲き始めました!

ソメイヨシノの花も咲き進み、暖かい日が続くようになりました。いよいよ春本番!   
といったところでしょうか。
ねったいかんもサクラに負けずに春を感じられますよ‼



ヒスイカズラの花が咲き始めました。
今年はツボミのつくのが遅かったので、いつものように咲くか心配しましたが、花茎の数も多く順調です。








ヒスイカズラ Strongylodon macrobotrys




3月の末から4月上旬には見ごろを迎えると思いますので、お見逃しなく。 


他にもきれいな花が咲いています。






サラカ タイピンゲンシス Saraca thaipingensis



仏教三大聖樹として有名な無憂樹(むゆうじゅ)の仲間です。






キワタノキ Bombax ceiba


赤色をした肉厚の花を咲かせます。上の方で咲いているので、お見逃しなく。     
種子の周りの白い毛は、綿の代わりにクッションなどに詰めて利用します。





デンドロビウム アグレガタム ‘ウェンツェン’ Dendrobium aggregatum‘uaeng thueng’



花が糸でぶら下がっているようです。






ブルボフィルム レイシアナム Bulbophyllum leysianum


下萼片が長く垂れさがり、まるでエイリアンのような形のランです。臭いも独特。





ブラジルデイゴ Erythrina speciosa


温室の外ではデイゴの仲間の花が咲いています。




○温室の中では実もなっています。




アコウ Ficus superba var. japonica


当館で人気の「絞め殺し植物」です。
イチジクの仲間は枝に直接果実がつくものが多いです。





コモチクジャクヤシ Caryota mitis

英名(フィッシュテールパーム)は、魚の尾ひれのような葉の形に由来します。





プルメリア オブツサ Plumeria obtusa


この木に実がなったのは、ここ数年では初めてです。
その他にも、この時期ならではの可愛らしい新芽が芽生えています。
探してみてください。

植物担当スタッフのこぼれ話 | 更新日:2020.03.22

サラカ タイピンゲンシス開花!!

日によって気温の差が激しい今日この頃ですが、あたたかい温室内では春の音が近づいてくるのを実感できますよ。




サラカ タイピンゲンシス Saraca thaipingensis


イエローサラカとも呼ばれます。
初開花は2年前に1輪咲いただけでしたが、今回は木の上の方にたくさんツボミが来ています。
回廊からよく見えますよ。





ヒスイカズラ Strongylodon macrobotrys


例年よりやや遅れましたが、いよいよツボミがつき始めました。
もう少々お待ちください。





ベゴニア‘セルフズ マホガニー’  Begonia‘Selph’s Mahogany’


温室、冷室内ではさまざまなベゴニアが開花しています。






コモチクジャクヤシ Caryota mitis


これはツボミです。幹の上の方からツボミが出始め、だんだんとツボミの出る位置が下の方へと移動、最後にはその幹は根元から枯れてしまいます。





マレーシャクナゲ‘サンセット’   Rhododendron‘Sunset’


冷室ではさまざまな熱帯性シャクナゲが開花しています。






グリーンドラム(クセロシキオス) Xerosicyos danguyi



なかなか咲かないグリーンドラムです。葉の形が太鼓に似ているのでこの名があります。
回廊で見ることができます。






カクチョウラン Phaius tankervilleae


今年は多くの株にツボミがついてくれました。鶴が飛んでいるような優雅な花容をお楽しみください。




セロジネ‘コスモクリスタ’ Coelogyne ‘Cosmocrista’


北方系のセロジネも咲いています。育てやすくておすすめのランです。





デンドロビウム ジョンソニアエ Dendrobium johnsoniae


こちらはニューギニア島・ソロモン諸島産の原種です。




他にも冷室にはさまざまなランが咲いております。ぜひご覧ください。

植物担当スタッフのこぼれ話 | 更新日:2020.02.29

たくさん実りました!

アラビアコーヒーノキ、初めてこんなにたくさんの実がつきました。
どうしても明るいほうへ向かって花が咲くため、園路から見えにくいところにたくさんなっています。
緑からだんだん赤く色が変化します。



アラビアコーヒーノキ Coffea arabica






食虫植物のウツボカズラに約30センチの大きなツボがつきました。
ねったいかんでは、なんの虫がつかまるのでしょうか。


ネペンテス ‘ダイエリアナ’ Nepenthes ‘Dyeriana’



品種によって、ツボの大きさや形もいろいろです。


ネペンテス ベントリコーサ×トランカータ Nepenthes ventricosa×truncata





葉っぱにインパクトのあるフィロデンドロン。
マレーハウス下の柱をよじ登っています。

 
フィロデンドロン ‘ウェンドインベ’ Philodendron ‘wendimbe’




カクチョウラン、今年もツボミがあがってきています。
少しはなれた場所にあるカクチョウランは咲き始めています。


カクチョウラン Phaius tankervilleae






ラン展は終了していますが、温室内や冷室(雲霧林ゾーン)では、まだまだ開花中のランを見ていただくことができます。
温室内は湿度が高め。乾燥しがちなこの季節、ぜひ、ねったいかんで潤ってください。




パフィオペディラム Paphiopedilum




デンドロビウム スペクタビレ Dendrobium spectabile




デンドロキラム グルマケウム Dendrochilum glumaceum

植物担当スタッフのこぼれ話 | 更新日:2020.02.02

らん・ラン・蘭展2020開催中です!

寒い日が続いていますね。寒いのが苦手な方は春が待ち遠しいことでしょう。
ねったいかんでは1月2日(木)~1月13日(月・祝)まで、らん・ラン・蘭展2020を開催しています。









今回の展示は「デンドロビウム」を特集しています。
バラエティ豊かなデンドロビウムの世界をお楽しみください。


また、須和田農園 江尻氏のご協力により、貴重なデンドロビウム自生地の写真パネルとさまざまなデンドロビウムの鉢植えを展示しています。













毎年恒例となっております、「神代洋らん友の会」会員の方々の鉢植えを展示しています。
みごとに咲いた色とりどりのランをご覧ください。











開館以来25年目にして、この夏、初めて開花したタイガーオーキッドの特別展示もあります。
開花時の感動を少しでも再現したいと思い、花を紙で自作しました。
ちなみにタイガーオーキッドの鉢植えと花を取りつけた花茎(かけい)は本物ですよ。














ランの主要な種類の育て方の紹介と、資材の紹介、販売のコーナーもあります。










もちろんランの鉢植えの販売コーナーもあります。ぜひ、お気に入りの一鉢を見つけてくださいね。






みなさまのお越しをお待ちしております。
                           
(M記)

植物担当スタッフのこぼれ話 | 更新日:2020.01.05

こぼれ話「ねったいかん」の下草たち(第3回)

「下草」や「グラウンドカバープランツ(地被植物)」など、地面や石垣を覆う植物のご紹介も今回が最終回です。
三回目にご紹介するのはブリッジ前の食虫植物のある広場を右に曲がったところから、冷室で見られる下草などの植物です。



広場を曲がった右側のプルメリアやキワタノキの根元にグズマニアが下草のように生えています。
左側にはタピオカでおなじみのキャッサバなどの根元をコウシュンサギゴケという、キツネノマゴ科の植物が覆っています。




グズマニアGuzmania


パイナップル科の植物ですが実はなりません。花が一度咲いた株は開花しませんが、かわりに株の周りに子株を出します。
子株を切り離して大きく育てると、また花が咲きます。




コウシュンサギゴケStrobilanthes primulifolia(Hemigraphis primulifolia)



葉脈と葉の裏が濃い紫色をしており、紫を帯びた小さな白い花を咲かせます。
寒さにはやや弱いですが、極めて強健で、温室内では雑草のように繁殖力が旺盛な植物です。



バナナのコーナーを右に曲がると園路の左側を紫色のゼブリナペンデュラが覆っています。
ところどころにツユクサに似た、ピンクのかわいらしい小さな花を咲かせています。
マレーハウスの向かいの石垣を覆うのは、アスパラガスデンシフロルス‘スプレンゲリ’です。




ゼブリナペンデュラTradescantia zebrina(Zebrina pendula)
和名:シマムラサキツユクサ(縞紫露草)


葉の縞模様と裏面の暗紫色が特徴的です。
多湿で日陰の環境を好みますが、よく日光に当てて乾かし気味にすると特有の美しさになります。
ツユクサのような淡い紫色の小さな3弁花をつけます。



アスパラガスデンシフロルス‘スプレンゲリ’ Asparagus densiflorus ‘Sprengeri’


葉のように見えるのは茎が変化した仮葉(葉状枝)と呼ばれるものです。
仮葉はつる性で下垂する性質があります。夏に小さな白い六弁花を咲かせ、今は緑と赤の果実をつけています。




冷室に入ると正面の石組の上を丸い小さな葉を付けた植物がまばらに覆っています。
今は咲いていませんが、レースフラワーバインの名の通り花弁のふちがレースのように深く切れ込んだ花を咲かせます。
入口左の石垣の上ではストレプトカルプス‘コンコルドブルー’が淡い青紫色の花を咲かせています。石垣の右の方を覆っているのはエスキナンサスプルケールです。冷室の中にはエスキナンサスが6種類ほどあるので見比べてみてください。



レースフラワーバインAlsobia dianthiflora


脈が暗赤色を帯びた小さな葉を付けた匍匐茎を出し、地面に広がります。
耐寒性はやや弱いですが、性質は強健です。写真は美しい白い花を咲かせたところです。



ストレプトカルプス‘コンコルドブルー’ Streptocarpus’Concord Blue’


葉はやや肉厚で茎は枝分かれして長く伸びます。花茎を10cmほど伸ばして、その先に先端が5裂した、淡い青紫色のラッパ型の筒状花をつけます。一定の気温が保てれば、一年中開花します。



コンテリクラマゴケSelaginella uncinata




この仲間では大柄で、青みを帯びた葉が美しく、人気があります。
葉は茎の下側から左右両側に出る腹葉と茎の背面に並ぶ背葉の区別がありますが、いずれの葉も表面に紺色の光沢があります。





タチシノブOnychium japonicum


山野に普通に自生するシダの一つです。非常に細かく葉が裂けるのが特徴的です。全体に鮮やかな緑で、つやがあります。




イヌケホシダThelypteris dentata



世界の熱帯に分布し、近年は都市部に移入。
熱帯植物の鉢植えなどとともに移動した移入種と考えられています。石垣の隙間や側溝、排水溝など湿ったところに育成します。




オニヤブソテツCyrtomium falcatum



海岸の崖地や内陸の丘陵地帯に生育します。崖地に生育する場合には垂れ下がりますが、平坦地では立ち上がります。
海岸では、葉の表面に塩の結晶が付いて白くなっていることがありますが、オニヤブソテツの葉は、水が浸透しない表面構造になっているそうです。



地味で素通りしがちな雑草のような植物ですが、一部の植物を除いては、関東地方の屋外ではめったに見られない、れっきとした熱帯の植物です。この機会に、冬も暖かい「ねったいかん」で普段は見過ごしがちな植物たちをあらためて観察してみませんか?



(MI記)

植物担当スタッフのこぼれ話 | 更新日:2019.12.27

こぼれ話「ねったいかん」の下草たち(第2回)

前回に引き続き、「ねったいかん」の「下草」や「グラウンドカバープランツ(地被植物)」など地面や石垣を覆う植物をご紹介します。

今回はアコウの木を左に曲って、マレーハウスの下を通り、ブリッジの手前までに見られる下草などの植物をご紹介します。


ブリッジの下をくぐり抜けると、右側の石垣をホウビカンジュが覆っています。つき当りの石垣の左では、コウトウシュウカイドウ、ピレア‘ムーンバレー’、リュウキュウウロコマリを見ることができます。石垣の上の石組みを覆うツル植物はキンマです。




ホウビカンジュNephrolepis biserrata


葉身は長さ60~200cmの一回羽状複葉で、非常に細長い形をしています。
立ち上がることもありますが長く下垂します。その姿から「鳳尾貫衆」、中国の伝説の鳥「鳳」(ほう)の尾の様なシダ(貫衆はシダの意味)の名前がつけられました。




コウトウシュウカイドウBegonia fenicis



日本に二種しかないベゴニアの固有種の一つです。
与那国、西表島では葉柄を食用として用いる身近な植物でしたが、渓流環境の破壊と乱獲のため、現在は環境省レッドリストの絶滅危惧II類に指定されています。





ピレア‘ムーンバレー’Pilea‘MoonValley’



葉の表面が縮緬(ちりめん)状で、赤茶色の葉脈が3本入る美しい葉が特徴のピレアです。





リュウキュウウロコマリLepidagathis inaequalis


常緑樹林の林床に生育する、高さ10~20cmの多年草です。写真は葉に白い斑が入った品種です。



キンマPiper betle


熱帯アジア原産のコショウの仲間です。
東南アジアや南アジアでは、ヤシの仲間のビンロウジュの実をうすく切って乾燥させたものに少量の石灰をまぶし、キンマの若葉で包んだものを口に入れて噛む「ベテルチューイング」という習慣がありました。
ビンロウジュにはアルカロイド成分が含まれ、刺激と高揚感が得られるそうです。



その先の右側の石垣を覆っているツル植物は、観葉植物としておなじみのポトスです。
園路の左側ビヨウタコノキの根元に目を移すと、不思議な葉っぱがまばらに一枚ずつ生えています。
これはヒトツバというシダの仲間です。
インドゴムノキのヘアピンカーブの手前右側の石垣の下には、リュエリアマコヤナ、ピレアカディエレイ。ヘアピンカーブを曲がった左の石垣にはエピスキア‘アカジョウ’が貼りついています。




ポトスEpipremnum aureum


熱帯地方では、大きな木に這い上がるように数十mまで育ちます。
市販されているのは幼葉で、成葉は巨大に成長し羽状に切れ込みが入ります。登上すると葉が成長し、下層に垂らすと葉が縮小します。温室内にはポトスの巨大な成葉もありますので、探してみてください。






ヒトツバPyrrosia panctafum



岩や樹皮に生える着生植物ですが、地上を覆うこともあります。
和名はシダ植物の多くが羽状複葉になる中で、複葉にならないことに由来します。本種の乾燥させた葉を漢方では石韋(せきい)といいますが、泌尿器系の諸疾患に効き目があるとされています。





リュエリ アマコヤナRuellia makoyana



葉の主脈に沿って白緑色の筋斑が入るのが特徴です。
葉の表面にはビロード状細かい毛が密生しています。ちょうど今、紫がかった白いかわいらしい花が咲いています。





ピレア カディエレイPilea cadierei


ピレアの中で、観葉植物として最も親しまれている種です。葉の表と裏の間に空気の入ったすき間ができて、銀白色のくっきりした模様が入るので、アルミニウムプランツとも呼ばれます。





エピスキア‘アカジョウ’Episcia cupreata ‘Acajou’


森林の日陰に生える多年草です。
ふさふさした毛がはえた、銀緑色で光沢のある葉が美しく、ここでは咲いていませんが、真っ赤な可愛らしい花もきれいです。写真は花が咲いたところです。


マレーハウスの下、ムッちゃんの前を通り過ぎると、右側の石垣をタマシダが覆っています。
石垣の上の鮮やかな黄緑色の植物はフィロデンドロン‘レモンライム’です。ブリッジ手前の左側アメダマノキやモクセンナの根元にも、同じような鮮やかな黄緑色の植物が茂っていますが、こちらはポトス‘ライム’です。




タマシダNephrolepis cordifolia


匍匐茎に球状の固まりをところどころに着けます。
これは、水をたくわえるためのものと考えられ、玉羊歯の名もこれによるものです。





フィロデンドロン‘レモンライム’Philodendron ‘Lemon Lime’


葉の全面が美しいレモンライム色です。マレービューティの名で流通することがあります。



ポトス‘ライム’Epipremnum aureum‘Lime’


葉がライム色をしているので、部屋に置くと室内が明るく見えます。
葉は日光に当てると黄色に、暗い所だと緑っぽくなり、適度に明るい所に置くとライム色になります。




次回(第3回目)が最終回になります。地味な植物のご紹介ですが、ぜひ最後までお付き合いください。

12月3日から、2階展示室では「クリスマス展」が始まっています。
温室ではトワイライトジャングル探検を開催中です。ぜひ、みなさまお越しください。


植物担当スタッフのこぼれ話 | 更新日:2019.12.18

こぼれ話 「ねったいかん」の下草たち(第1回)

猛暑と次から次へとやってくる台風の季節が終わったと思ったら、突然寒い冬がやってきました。
風邪などひかないようご注意ください。

さて、今回は「ねったいかん」で見過ごされがちな植物たちを取り上げます。
それは、「下草」や「グラウンドカバープランツ(地被植物)」などの地面や石垣を覆う植物です。いずれも強健で繁殖力も強く、現地ではみな雑草の扱いを受けているのでは?と思われる植物たちです。
下草などは温室中を覆っていて種類も多いので、順路に沿って、3回に分けてご紹介させていただきます。
また、温室内のいたるところに生えているものも多いので、見やすいところでご紹介します。


第一回目にご紹介するのは、水族館から温室に上がったところから、おなじみの絞め殺し植物「アコウ」のあたりまでに見られる下草などです。


水族館から階段を上がる途中で振り返ると、アジアンタム ラッディアヌムが池の周りを覆っています。階段を上った正面、ムラサキモクワンジュの左手奥を透かして見ると、セキドウサクラソウが赤紫色のかわいい花を咲かせています。



アジアンタム ラッディアヌムAdiantum raddianum

繊細で優雅な涼感のあるシダです。「Adiantum」は、“濡れない”を意味するギリシア語に由来し、葉が水をはじくところから属名がついています。





セキドウサクラソウAsystasia gangetica

別名:コロマンソウ。シンガポールやマレーシアでは、乾燥地に野生状態で広がり、若葉は食用にもなるそうです。

順路の先の右側(プール側)にはケブカルイラソウ、チャラン、シソモドキが木々の根元を覆っています。




 

ケブカルイラソウRuellia squarrosa

茎にも葉にも毛が多いことから、ケブカルイラソウの和名がつきました。日本では沖縄で野生化し、道端や空き地などにはえています。





チャランChloranthus spicatus

今は咲いていませんが、淡黄色の小さな花には強い芳香があり、観葉植物として根強い人気があります。日本には江戸時代に渡来した、古い観葉植物です。写真は花の咲いている状態です。





シソモドキStrobilanthes alternata

葉の表面は銀灰緑色で、裏面は暗赤紫色の美しい葉です。赤味の強い這い性植物なので、英名はレッドアイビーといいます。



その先のホーペアオドラータの根元の黄緑色の小さな丸い葉はピレアデプレッサ。セイロンニッケイの手前を覆っているのはミヤコジマソウです。
道の左側(池側)に目を移すと、タッカシャントリエリの根元に明るい色の葉っぱが生えていいます。これはピレアヌンムラリーフォリアです。





ピレア デプレッサPilea depressa

匍匐する細い茎に小さな丸い葉を付けるかわいらしい植物です。縦方向に3本の葉脈がくっきり入る葉が多いです。ちなみに花言葉は「少女の恥じらい」です。




ミヤコジマソウ Strobilanthes reptans


環境省レッドリストの絶滅危惧IA類(CR)に指定されていますが、温室で栽培している限りでは雑草のように頑健な植物です。このような植物が絶滅に瀕してしまうのですから、人間が土地を利用する時には、よく気を配る必要がありますね。





ピレア ヌンムラリーフォリアPilea nummulariifolia

つややかな凸凹のある葉っぱで、3行脈が目立ちます。ハンギング仕立てに向いた植物で、寄せ植えにも好適です。


順路の右側、ヤエヤマヤシの先、サトウヤシの手前の園路の脇に群がって生えているのはヤリノホクリハランです。
その奥に何やら赤い花や実がちらちら見えています。赤い花はリュエリアグラエキザンス。赤い実はジュズサンゴです。




ヤリノホクリハランColysis wrightii

渓流のそばなど、森林内の湿った地上に生えます。名前は葉の形が槍の穂先に似ているクリハランの意味です。





リュエリア グラエキザンスRuellia graecizans

適度な光と温度があれば一年中開花します。種子をはじき飛ばし、温室では雑草化しやすい植物です。





ジュズサンゴRivina humilis

5mm程のまっ赤でかわいらしい実をたくさんつけます。白い花と果実を同時に楽しむことができますが、植物全体(特に葉)は、人間の消化器に有毒です。




次回、第2回はアコウの木を左に曲って、マレーハウスの下を通りブリッジの手前までに見られる下草などの植物をご紹介します。


なお、12/3から、「ねったいかん」では「クリスマス展」が始まりました。
温室ではトワイライトジャングル探検を開催しています。
この機会に、冬も暖かい「ねったいかん」で普段は通り過ぎてしまいがちな植物たちを観察してみませんか?

植物担当スタッフのこぼれ話 | 更新日:2019.12.08
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