こぼれ話「ねったいかん」の下草たち(第2回)

前回に引き続き、「ねったいかん」の「下草」や「グラウンドカバープランツ(地被植物)」など地面や石垣を覆う植物をご紹介します。

今回はアコウの木を左に曲って、マレーハウスの下を通り、ブリッジの手前までに見られる下草などの植物をご紹介します。


ブリッジの下をくぐり抜けると、右側の石垣をホウビカンジュが覆っています。つき当りの石垣の左では、コウトウシュウカイドウ、ピレア‘ムーンバレー’、リュウキュウウロコマリを見ることができます。石垣の上の石組みを覆うツル植物はキンマです。




ホウビカンジュNephrolepis biserrata


葉身は長さ60~200cmの一回羽状複葉で、非常に細長い形をしています。
立ち上がることもありますが長く下垂します。その姿から「鳳尾貫衆」、中国の伝説の鳥「鳳」(ほう)の尾の様なシダ(貫衆はシダの意味)の名前がつけられました。




コウトウシュウカイドウBegonia fenicis



日本に二種しかないベゴニアの固有種の一つです。
与那国、西表島では葉柄を食用として用いる身近な植物でしたが、渓流環境の破壊と乱獲のため、現在は環境省レッドリストの絶滅危惧II類に指定されています。





ピレア‘ムーンバレー’Pilea‘MoonValley’



葉の表面が縮緬(ちりめん)状で、赤茶色の葉脈が3本入る美しい葉が特徴のピレアです。





リュウキュウウロコマリLepidagathis inaequalis


常緑樹林の林床に生育する、高さ10~20cmの多年草です。写真は葉に白い斑が入った品種です。





その先の右側の石垣を覆っているツル植物は、観葉植物としておなじみのポトスです。
園路の左側ビヨウタコノキの根元に目を移すと、不思議な葉っぱがまばらに一枚ずつ生えています。
これはヒトツバというシダの仲間です。
インドゴムノキのヘアピンカーブの手前右側の石垣の下には、リュエリアマコヤナ、ピレアカディエレイ。ヘアピンカーブを曲がった左の石垣にはエピスキア‘アカジョウ’が貼りついています。




ポトスEpipremnum aureum


熱帯地方では、大きな木に這い上がるように数十mまで育ちます。
市販されているのは幼葉で、成葉は巨大に成長し羽状に切れ込みが入ります。登上すると葉が成長し、下層に垂らすと葉が縮小します。温室内にはポトスの巨大な成葉もありますので、探してみてください。






ヒトツバPyrrosia panctafum



岩や樹皮に生える着生植物ですが、地上を覆うこともあります。
和名はシダ植物の多くが羽状複葉になる中で、複葉にならないことに由来します。本種の乾燥させた葉を漢方では石韋(せきい)といいますが、泌尿器系の諸疾患に効き目があるとされています。





リュエリ アマコヤナRuellia makoyana



葉の主脈に沿って白緑色の筋斑が入るのが特徴です。
葉の表面にはビロード状細かい毛が密生しています。ちょうど今、紫がかった白いかわいらしい花が咲いています。





ピレア カディエレイPilea cadierei


ピレアの中で、観葉植物として最も親しまれている種です。葉の表と裏の間に空気の入ったすき間ができて、銀白色のくっきりした模様が入るので、アルミニウムプランツとも呼ばれます。





エピスキア‘アカジョウ’Episcia cupreata ‘Acajou’


森林の日陰に生える多年草です。
ふさふさした毛がはえた、銀緑色で光沢のある葉が美しく、ここでは咲いていませんが、真っ赤な可愛らしい花もきれいです。写真は花が咲いたところです。


マレーハウスの下、ムッちゃんの前を通り過ぎると、右側の石垣をタマシダが覆っています。
石垣の上の鮮やかな黄緑色の植物はフィロデンドロン‘レモンライム’です。ブリッジ手前の左側アメダマノキやモクセンナの根元にも、同じような鮮やかな黄緑色の植物が茂っていますが、こちらはポトス‘ライム’です。




タマシダNephrolepis cordifolia


匍匐茎に球状の固まりをところどころに着けます。
これは、水をたくわえるためのものと考えられ、玉羊歯の名もこれによるものです。





フィロデンドロン‘レモンライム’Philodendron ‘Lemon Lime’


葉の全面が美しいレモンライム色です。マレービューティの名で流通することがあります。



ポトス‘ライム’Epipremnum aureum‘Lime’


葉がライム色をしているので、部屋に置くと室内が明るく見えます。
葉は日光に当てると黄色に、暗い所だと緑っぽくなり、適度に明るい所に置くとライム色になります。




次回(第3回目)が最終回になります。地味な植物のご紹介ですが、ぜひ最後までお付き合いください。

12月3日から、2階展示室では「クリスマス展」が始まっています。
温室ではトワイライトジャングル探検を開催中です。ぜひ、みなさまお越しください。


植物担当スタッフのこぼれ話 | 更新日:2019.12.18
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