谷津干潟自然観察センター(谷津干潟公園センターゾーン)

交流・ネットワークの取組み

湿地と渡り鳥の保全を進めるには、国際的な協力が不可欠です。習志野市はこの視点に立ち、これまで、谷津干潟のラムサール条約登録、「東アジア・オーストラリア地域フライウェイパートナーシップ」への参加、オーストラリア・ブリズベン市との「湿地提携」等の取り組みを行っています。

習志野市・ブリズベン市の湿地提携

谷津干潟では、保護区や公園管理等を担当する行政の職員、自然や野鳥の専門家だけでなく、市民も普及啓発活動や保全活動に関わっています。実はブリズベン市にあるラムサール条約登録地のブーンドル湿地も同様です。湿地保全の実際に携わる人々の間で情報交換し、互いの湿地を実体験することは、渡り鳥と湿地の保全に寄与することでしょう。
「湿地提携」は、このような交流が両市及び両市民にとって、円滑にかつ効果的に行われるよう、それぞれの市が行政として“かけはし”の役割をしっかり果たしていくことを約束をするものです。

ブリズベン市について

シドニー、メルボルンに次ぐオーストラリア第3の都市。ブリズベン川の河口に位置する港湾都市で、神戸市と姉妹都市を結んでいます。人口は約98万人で、面積1221平方キロメートルです。クイーンズランド州の州都になっています。
ブリズベン市内には6カ所の保全湿地がありますが、うちブーンドル湿地は、谷津干潟同様、ラムサール条約登録湿地であり、「東アジア・オーストラリア地域フライウェイパートナーシップ」の参加地です。さらに、開発から市民の保全運動によってまぬがれた経緯があること、市民主体の管理を行っていること、施設で環境教育を実践していること、ボランティア活動があること等、谷津干潟と共通する点が多くあります。

ラムサール条約

正式名称を「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」といい、1971年にイランの地方都市ラムサールにおいて締結されたことから通称「ラムサール条約」と呼ばれます。ラムサール条約がいう湿地の定義の範囲は広く、自然の湿地から人工の湿地まで含みます。浅い海、河川、沼、水田等、水(海水でも淡水でも)に関係する場所のほとんどがその対象となります。
条約の名称から、水鳥を守ることが目的と思われがちですが、これまでに締約国会議で議論を重ねた結果、水鳥のために湿地を保全するという考えに限らず、湿地が生物多様性を守る上で重要であること、その恩恵を受ける人間にとっても価値がある、という考え方から、湿地そのものを保全し、生態系の保全を前提とする「ワイズユース(wise use=賢明な利用)」が条約の目的となっています。
ワイズユースは、良好な湿地環境を次代に受け継いでいきながら、湿地の有形・無形の資源を持続的に利用・活用していくことを意味します。
また、湿地保全のあり方として、締約国会議の決議VII.8で谷津干潟の「習志野声明」が研究事例として取り上げられており、地域の人々の参加が求められています。このように、湿地保全については「賢明な利用」「市民参加」が原則とされ、その具体的な手法は各湿地にまかされています。

東アジア・オーストラリア地域フライウェイパートナーシップ

谷津干潟を訪れる水鳥の多くが、国境を越えて渡ります。なかでもシギ・チドリ類とよばれる水鳥たちは、地球を南北にまたがる範囲で季節的な渡りをします。
渡りをする水鳥のフライウェイ(渡り経路)はいくつかあり、谷津干潟はシベリア・アラスカからオーストラリア・ニュージーランドに広がるフライウェイにあります。
谷津干潟で春(4~5月)と秋(7~9月)に翼を休めるシギ・チドリ類の中には、はるか12,000kmメートル以上を旅するものがいます。
このような生態をもつ水鳥を保全していくには、越冬地と繁殖地、フライウェイ上にある中継地の保全が不可欠です。
1996年3月オーストラリア・ブリズベン市で開催された、第6回ラムサール条約締結国会議で推進を採択した『アジア・太平洋地域渡り性水鳥保全戦略』にもとづく「シギ・チドリ類重要生息地ネットワーク」は、シギ・チドリ類のフライウェイにある重要な湿地の適切な管理を促進し、国際協力のもとに渡り鳥の保護を図ることを目的としたもので、谷津干潟は発足当初から参加しています。
このネットワークは、2006年からは「東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ」のもとで運営され、フライウェイ・パートナーシップ事務局は韓国にあります。

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